帳簿価額と貸借対照表価額の違いは何か

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帳簿価額と貸借対照表価額は内容的にはとてもよく似ていますが違います。

 

内容を見ただけだと迷いますが、それぞれの価額の意味をしっかりと理解することで違いが見えてきます。

帳簿価額とは

帳簿価額は簿価と略されて使われることもあり、会社の財務状況において帳簿上にある資産価値や負債価値を評価した額のことを示します。

 

あくまで帳簿上の価額なので一般的な金融市場にもとづいて出される評価額の市場価値とは関係がありません。

 

もともと土地などの有形固定資産は取得時の原価を帳簿価格としていました。

 

それが土地価格の急落等によって減損会計が導入され、資産から負債を差し引いた金額が帳簿価格として調整されたのです。

 

帳簿価格は一時点での会社の資産と負債の額を知るためのデータとしては重要なものになります。

 

しかし無形資産である知的財産や会社が持つ技術力、ブランド力などの資産評価は帳簿価格には反映されません。

 

また一時的な額なので時価価格と一致しない状況も出てきます。

 

帳簿価格で個々の会社の評価をしたり会社の価値を見る場合は、同時点で同業他社と比較するために利用する程度がいいでしょう。

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貸借対照表価額とは

貸借対照表価額とは会社の財務状況において、貸借対照表上にある資産価値や負債価値を評価した額の事を示します。

 

貸倒引当金があるときは債権又は債券から、貸倒引当金残高を控除後の金額が貸借対照表価額となります。

 

有形固定資産については減価償却累計額を引いた金額が貸借対照表価額となります。

 

原則として有形固定資産の取引費用は取得原価に含まれます。

 

また償却済み有形固定資産は除去まで残存価額として記載されます。

 

無形固定資産は資産取得時の支出金額から減価償却累計額を引いた額となります。

 

商品などの棚卸資産は購入原価や製造原価に費用を足して、個別法や先入選出法または後入先出法や平均原価法により算出した取得原価を貸借対照表価額とします。

 

このように資産の貸借対照表価額は種類に応じて評価方法が決まっています。

 

それによって評価され、貸借対照表に計上されている資産の価額の事をいうのです。

まとめ

帳簿価額は帳簿上の価額の事で、貸借対照表価額は財務諸表の作成方法を規定していて、財務諸表論では貸借対照表価額という表現をします。

 

資産や負債の評価をする価額には違いありませんが、帳簿上と財務諸表では影響を及ぼす箇所に違いがあるので、帳簿価額と貸借対照表価額は別の物である、と2つの違いを理解するといいでしょう。

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