大工さんに別名はあるの?〜「右官」と呼ばれていた時代も

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住宅の建築現場に行くと、さまざまな職人さんが働いています。

 

その中でも、家を建てる職人さんを一般的には大工さんと言います。

 

複数の大工さんの中には、別名で呼ばれている人がいるのはご存知でしょうか。

大工さんたちを統率する人の別名が「棟梁」

1つの建物を作り上げるときに、複数人の大工さんが携わっていることがあります。

 

これらの大工さんたちを統率する役割を持つ人を「棟梁」と言います。

 

「棟梁」は「集団の統率者」という意味を持つ言葉です。

 

現在はハウスメーカーや工務店が施主から住宅の建設を請け負い、設計士が図面を作成し、大工に依頼して住宅を建設していますが、昔は棟梁と呼ばれる人が設計から施工まですべてを請け負ってきました。

 

つまり、棟梁は大工を統率するだけではなく、建築現場で働くすべての人を統率していたのです。

 

作業が細分化されたことで、従来のように現場の全てを棟梁が取り仕切ることは減ってきています。

 

ですが、大工を束ねる役割を担う人を棟梁ということは今でもあります。

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技術を伝承する師匠が「親方」

大工の世界では、親方と弟子といった関わり合い方があります。

 

大工さんになるための技術や知識を吸収中の見習いの人は、親方と呼ばれる師匠の下でさまざまな技術を学んでいます。

 

そのため、建築現場に行くと「親方」と呼ばれる大工さんがいる場合があります。

 

親方は手取り足取り弟子に仕事を教えるわけではなく、自分の働く姿を見せたり、実際に弟子にも仕事させたりして学ばせます。

 

もし親方と呼ばれている大工さんが建築現場にいた場合には、技術を学んでいる途中の若い大工さんもその近くで学びながら仕事をしているでしょう。

「右官」と呼ばれていた時代も

現代では大工さんという呼び名が職業名でもありますが、飛鳥時代までさかのぼると「右官」という別名で呼ばれていた時代がありました。

 

実は、江戸時代ごろまでこの別名で呼ばれていたと言います。

 

日本では、建物を建てるときには木と土を使ってきました。

 

木を使って仕事する人を「右官」、土を使って仕事する人を「左官」と呼んできたのです。

 

ですが、右と左には上下関係があり、左の方が尊いという考え方があります。

 

この考え方から言えば、右官は左官の下となってしまいます。

 

これでは右官の立場がないということで、右官という別名は廃れていったと言われています。

 

ちなみに、左官という言葉は今も残っています。

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