企業が月末の発注を抑える理由とは?
企業は原料や小売り用の商材などを仕入れて在庫として持ち、それを販売したり使用したりする動きを続けます。
この商品・仕入れ発注の量はタイミングによって変わってくることがあります。
月の中で見ると、多くの企業で月末に抑える傾向が見られます。
どうして月末になると発注を抑えるのかを知っていると、効率の良い経営のための工夫をしていることが分かります。
いくつかの理由をチェックしてみましょう。
月末に発注を抑えることで棚卸作業を減らす
企業が商材の仕入れであれ製造原料であれ、月末に発注を抑えるのはその時期に在庫を増やしたくない、もしくは減らしたいと思っているからです。
この時期に在庫が増えることには、いくつものデメリットが生まれます。
まず単純に在庫が増えると、通常月末に行う棚卸作業が増えてしまうからです。
在庫を増やすタイミングを少し待って、次の月の初めにすれば、在庫はどんどん減り月の終わりに行う棚卸は楽になるのですから、次の月に持ち越した方が良いのです。
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もう一つの理由は、資産を目減りさせることができるというものです。
発注して在庫が増えると、その在庫も会社にとっては資産の一部とみなされます。
そして、発注によってその分、現金は減ることになります。
もちろん、資産があること自体は悪くないのですが、資本がたくさんあり、現金が少なくなるという関係は、総資本利益率と呼ばれる指標を押し下げることになります。
つまり、数字上では効率の悪い営業、経営をしているということになってしまうのです。
公開株式会社の場合は、こうした数字によって株主がネガティブな反応をすることもありますので、できるだけ良い数字にしておく必要があります。
そこで、発注を抑えることで在庫つまり資産を減らし、現金を多く持つことで総資本利益率を上げようとするのです。
もう一つの理由は、利益の圧縮を図るというものです。
基本的に、売り上げの原価が大きくなれば、その分経費がかかるので利益は圧縮されます。
売上原価は、月末にある在庫が少ないほど高くなります。
そのため、発注を抑えることで在庫を減らし、売上原価を高くできるわけです。
こうして利益を減らすわけですが、これは節税効果というメリットを生み出します。
利益が少ないと納税額が減るからです。
最終的に同じ量の発注をするとしても、タイミングを変えるだけでも節税できることがあり、それを狙っているわけです。
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