起工式での鍬入れは、仏式では行わない?
起工式は地鎮祭とも呼ばれていて、建物の工事を開始するにあたり、工事の安全と無事を土地の神様に祈願するという慶事行事です。
この行事は神事で、一連の流れの中にたくさんの儀式が含まれています。
その一つに、鍬入れがあります。
鍬入れとは具体的にはどんな儀式で、仏式の起工式では行わないものなのでしょうか?
鍬入れとは?
起工式の儀式の一つである鍬入れは、地鎮の儀とも呼ばれています。
具体的に何をするのかというと、その土地に鍬を入れるというものですが、実際にそのタイミングで工事をスタートしようというわけではありません。
起工式における鍬入れは、あくまでも儀礼的なものとして行います。
現在では、起工式後にスタートする工事では、個人宅の工事でも基本的に重機を使います。
手作業で雑草を刈り取ったり、鍬で土を掘り起こすという作業を行うことはありません。
しかし、こうした重機を使う前の時代においては、手作業でこれらの作業をした上で、土地を平らにするという土台作りを行わなければ、家を建てることはできませんでした。
そうした作業に必要不可欠だったのが、鍬という道具です。
起工式の鍬入れでは、これまで手が入っていなかった土地に手を加えても良いですか、という神様へのお伺いをし、許可を得るという意味もあります。
仏式の起工式はどう違う?
仏式においては、この慶事行事のことを地鎮祭とは呼ばず、起工式という呼び方をします。
一般的には、どちらも同じ慶事行事のことを指していて、呼び方だけが異なると考えられていますが、仏式においては呼び方が決まっているので注意しましょう。
鍬入れの儀式については、仏式だからやってはいけないとか、仏式ではやり方が異なるというルールや違いはありません。
仏式かどうかにかかわらず、鍬入れの儀式は縁起かつぎの側面が多いため、やらないという選択をする施主は少なくありません。
仏式においても、一同で礼拝合掌した後に鍬入れをする事もあれば、省略して、関係者の挨拶や祝辞を行う起工式もたくさんあります。
ただし、仏式の起工式を開催する際には、地域やそのお寺によっては、鍬入れの儀式が式次第にデフォルトとして盛り込まれていないケースがあります。
これは、鍬入れをしてもしなくても、神様にとって無礼になることはないと考えられているからです。
そのまま、地域やお寺のベーシックな流れに沿って、鍬入れを省略しても、問題はないでしょう。
しかし、どうしても鍬入れをしたいのなら、お寺にお願いすれば式次第に取り入れてもらうことが可能です。
スポンサーリンク鍬入れはどうやってすれば良い?
鍬入れの儀式では、砂を使って盛土を行います。
この砂は、立砂とか盛砂と呼ばれています。
必要な砂の量は、3杯〜5杯程度で、鍬入れの儀式を行う場所に事前に盛っておきましょう。
起工式という神事行事で使用する砂ですが、特別な場所から購入しなければいけないわけではありません。
また、事前に祈祷してもらったほうが良い、といったルールもありません。
これは、仏式でもそうでなくても変わりません。安心してください。
砂で盛土を行う際には、型に砂を入れた上で、鍬入れをする場所に設置します。
砂が乾燥していると形を上手く作れないため、ある程度濡らしてから形を形成するのがポイントです。
鍬入れの儀式では、この盛砂に鍬を3回入れるという儀式を行います。
鍬の入れ方は、左に一回、中央に一回、そして右に一回、合計3回です。
ただし、地域やお寺によって、具体的な鍬の入れ方や盛砂の作り方が異なることがあります。
そのため、ベーシックなやり方を念頭に入れながらも、その土地やお寺のやり方に従うのが良いでしょう。
鍬入れをする際には、掛け声をかけながら行います。
掛け声は、鍬を一振り下ろす際に「エイ!」とかけます。
合計3回鍬を入れるので、掛け声は「エイ、エイ、エイ!」となります。
どうしてエイなのかという点ですが、これは鍬を振り下ろす際に力が入りやすいから、という理由によるものです。
また、家が栄えるという意味をもつ「栄」にちなんだ掛け声だとも言われています。
この掛け声は、仏式でも同じなので、覚えておきましょう。
起工式の鍬入れで失敗したくない、誰に相談するべき?
初めて起工式を行うという人にとっては、何から何まで初めて尽くしのために、緊張度はマックスになってしまうものです。
建物の工事を始める前に行う最初の神事行事だから、失敗したくはないものです。
そのため、順序や手順を事前にシッカリと予習した上で本番に臨むのが一般的です。
もしも仏式の起工式を計画していて、滞りなくスムーズに式を行いたいという場合には、誰に相談するのがベストなのでしょうか?
ネットの動画などでは、具体的に何をどうするのかという点が詳しく紹介されています。
また、情報収集という面でも、初めての人にとっては役立つ情報が満載です。
しかし、その土地や地域、お寺のやり方が微妙に異なる仏式においては、起工式を依頼するお寺の住職に聞くのが理想的です。
この方法なら、失敗しないやり方をしっかりと事前に頭に入れることができます。
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