漁船のトイレはどうなっているの?もしかして海に垂れ流し?

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一度漁に出ると数時間から1日程度、漁船は海上を航行します。

 

もちろん、乗船している人はその間にトイレに行きたくなることもあるでしょう。

 

漁船にはトイレが設置されているものが多いのですが、海に垂れ流しなのか、気になる人もいるでしょう。

 

トイレの汚水はどのように処理されるのでしょうか。

400tを超える船の場合、垂れ流し禁止!

漁船といってもさまざまな大きさの船があります。

 

遠洋を航行するような400tクラスの漁船の場合には、汚水を処理する設備を備えなければならないことが、マルポール条約という海洋汚染防止を目的とした条約にて定められています。

 

トイレの汚水はブラックウォーターと呼ばれ、有害な細菌などが含まれている場合があるため、汚水処理プラントや汚水の粉砕や消毒をする装置を設置し、さらに汚水の貯留タンクを搭載しなければなりません。

 

このような装置により、汚水はそのまま海に垂れ流しになることはなく、処理水と固形物に分類され、固形物は後日回収されます。

処理水は岸から離れた場所なら海に排水できる

処理された汚水は基本的には貯留タンクに溜められますが、それには限界があります。

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限界がきたからトイレは使えません、というわけにはいきません。

 

実は、処理設備で処理された汚水については、岸から離れた場所であれば海に排水できることになっています。

 

条約によって定められた方法で処理された水は、一番近い岸から約5.6km(3海里)離れていれば、海洋放出が可能です。

 

一方、条約によって定められた方法で処理していない水についても、4倍の約22.2km(12海里)離れていれば、やはり海洋放出してもよいことになっています。

 

タンクに貯蔵された汚水を一気に排出することは避け、必ず4ノット以上の速度で航行しながら海に排出することになっています。

 

ただし、国や港によっては海洋放出ができない場合があります。

遊漁船や小型漁船はマリントイレを設置

400tクラスの漁船ではなく、遊漁船や小型漁船の場合には、一般的にはマリントイレと呼ばれるトイレが設置されます。

 

マリントイレはポンプで海水を吸い上げ、汚水をミキサーで粉砕し、海に放出します。

 

汚物の形こそは見えませんが、垂れ流しと言えば垂れ流しの状態です。

 

航行中であれば、垂れ流しされた汚水はあっという間に流されていってしまいます。

 

停泊中でも、船のスクリューを回せばあっという間にどこかに流されていきます。

 

健康のためにも汚物の行方をはあまり気にせず、トイレを我慢せずに使うようにしましょう。

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