漁船の捕獲した魚を入れる魚庫はどんなシステム・造りになっていますか?

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漁船で海洋に出て魚を捕獲しますが、漁港に着くまでの間取れた魚をいれる場所・保管庫はどうなっているのでしょうか?

 

海釣りをする人ならご存じのことですが、摂れた魚の鮮度を落とさないために、クーラーボックスに入れるなどの工夫が必要です。

漁船では捕獲した魚を入れる魚庫を備えている

日本の漁業は、陸から近い漁場で日帰りで行なう沿岸漁業、陸から離れた沖合まで捕獲に出かける沖合漁業、国の200海里内を駆け回る遠洋漁業に分かれますが、それぞれ捕獲した魚の保管庫の種類・形が違います。

 

それは、捕獲した魚の鮮度をどのように保つのかによって保管方法が違うからです。

 

現在利用されている保存方法は大きく3つ。

 

一つは活かしたまま魚を入れる活魚倉(イケス)を使う方法、もう一つは保冷庫に氷を大量に入れて、魚を冷やした状態で漁港まで運ぶ方法、もう一つは完全に冷凍させて運ぶ方法です。

 

この3つの方法のどれを選ぶかによって漁船に設置する魚庫のシステムや造りが変わってきます。

小型漁船にはFRPやアルミ製の魚庫が設置される

魚庫は船腹の底に設置されていますが、一回の漁で5トン程度の漁獲がある沿岸漁業の漁船では、活魚倉を作って、そこに海水をためて釣った魚を生きたまま保管します。

 

あるいは氷で冷やして陸揚げするケースもあります。

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小型漁船の活魚倉では、軽くて柔軟性のあるFRP製のものが多く見られます。

 

FRP素材は昭和40年代から強化プラスチック・FRPを船体に使いだし、活魚倉も同じ素材で作られるようになりました。

 

FRPは大量生産が可能で低価格な素材です。

 

また軽量なため、燃料費も節約できて、修理も簡単です。

 

つまりランニングコストが大幅に抑えられるメリットがあります。

 

ただし、耐久性が低く、熱に弱いことから長期使用の面で問題もあります。

 

沖合漁業で10〜20トンの漁獲量がある場合は、アルミニウム合金の魚庫を利用します。

 

このレベルになると活魚倉ではなく、氷を入れた冷蔵用の保管庫を利用します。

 

北海のサンマ漁がこれに当たり、アルミ合金で造った軽合の魚庫に大量の氷を詰めて鮮度を落とさないように陸揚げしています。

 

アルミ合金は軽量で丈夫、加工がしやすいので小型漁船ではよく使われる素材です。

 

そして遠洋漁業の魚庫には、おもに冷凍庫を設置します。

 

鋼鉄製の大型冷凍庫を使って、捕獲後すぐに内臓などを取り除き、急速冷凍させて鮮度を閉じ込めます。

 

この冷凍庫は鋼鉄などの合金を組み合わせて作られていて、強度と熱耐性が高いのが特徴です。

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