スーパーの在庫増は利益増になるって本当?

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『在庫が増えるほど、その分利益も増える』といった話をする会計担当者がいます。

 

スーパーなどでも、過剰在庫になるほど発注してしまったにもかかわらず、『経理の上では利益増になるのだから、あながち悪い状況ではない』と言う人も見られます。

 

ですが、在庫が余る状況は実利的にはマイナス要因です。

 

では、なぜそのような考え方が生じるのでしょうか?

スーパーの在庫は帳簿上で利益となる

『在庫の超過状況を利益増とみなす』のは経理の人に多いですが、その理由は帳簿上で在庫が帳簿上にプラス資産として計上されるからです。

 

たとえ売り上げが低くて赤字になるはずの決算月でも、その赤字分を上回る在庫が残っていれば相殺されて黒字決算とみなされるのです。

 

基本的にスーパーの売上総利益は、その期間の売上から売上原価をマイナスして計算されます。

 

なお、売上原価は仕入れ額から期末時点での在庫額を差し引きますから、結果として在庫が支出を減額させるのです。

 

スーパーでは、基本的に会計上で売り上げが立った商品しか原価計算をしないことから生じます。

 

その期に決算しなかった在庫は、売れた時点まで支出としてみなされないために、『在庫増は利益増』といった誤解を生じさせるのです。

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スーパーの在庫増はキャッシュフローを低下させる

ここで注目しなければならないのは、その時点でのスーパーのキャッシュフローです。

 

仕入れた商品が在庫として残っているからといって、仕入代金の支払いは先送りにできません。

 

売れようが売れまいが、決まった期日に支払いを済ませなければなりません。

 

つまり、在庫の仕入れ額の分だけ、会社の資金が減ったままになります。

 

売り上げるまではマイナス資産ということです。

 

スーパーでは何千種類もの商品を扱っているため、中には売れずにデッドストック化するものも少なくありません。

 

そこで、スーパーでは徹底してデッドストック回避に努めます。

 

それは在庫保有に経費が発生するからです。

 

倉庫の費用(商品の維持管理を含む)は在庫の量が増えるほどかさんでしまいます。

 

なお、在庫化状態が長引いた商品は、商品価値を落とすリスクもあります。

 

スーパーでは売れ残りの商品を割引セールなどで早期販売を試みます。

 

その結果、売り上げ額が目減りして赤字化する要因にもなります。

 

このように、スーパーで在庫が増える(過剰在庫を抱える)状況は、経営そのものの危機だと理解する必要があります。

 

けっして『在庫増が利益増になる』などと短絡的に捉えるものではありません。

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