企業内の研究者から大学教授へ転身する人は多い?転身の理由は?
大学教授の中には、ずっと大学で研究者として従事してきたという人もいれば、企業に勤務していた人が転職で大学教授になったという人もいます。
企業から大学教授へ転身する研究者は、どのような理由で転身を決意するのでしょうか?
研究者には分野ごとの役割分担があります
研究者の仕事は、様々な分野の研究に従事することです。
研究の分野は大きく3つあり、未開拓の分野や未知の成分の発見を目的として研究を行う基礎研究分野、それらを実際の商品開発に生かすための研究を行う応用研究分野、そして営業に同行して顧客の元へ足を運び、研究者の立場から説明を行う開発研究分野があります。
研究に従事する人なら、具体的にどんな事を研究したいのかという希望はあるでしょう。
しかし、どこに勤務するかによっては、希望通りの研究ができない可能性があるのです。
例えば、企業に勤務する研究者の場合には、多くは実際の商品開発に向けた研究を行います。
研究分野でいえば、応用研究に従事するケースが多いのです。
未開拓の分野や未知の成分についての基礎研究を行いたいという人にとっては、企業に勤務していても夢をかなえることは難しいかもしれません。
この基礎研究の分野でじっくり研究できるのが、大学や研究機関なのです。
また、企業に勤務すると、開発研究に配属される可能性もあります。
これは、営業と共に顧客先に足を運ぶ仕事です。
研究だけに従事したいという人にとっては、希望から大きく外れた仕事となってしまうかもしれません。
企業勤務する研究者が転身して大学教授になるケースは、少なくありません。
その理由は多種多様ですが、基礎研究の分野に従事したいという理由や、研究の仕事だけに集中したいという理由で転身する人は、たくさんいます。
スポンサーリンク大学教授になることのメリットとは?
これまで企業勤務していた研究者が、職場を変えて大学で大学教授として働くことには、いくつかのメリットがあります。
1つ目は、やりたい研究に集中できるという点です。
商品開発などとは関係なく研究ができますし、基礎研究に従事することも可能です。
2つ目は、未来の研究者の育成に携われるという点です。
大学教授は、大半の時間を研究に費やしますが、学生に講義も行います。
人材育成という点や、研究に関する知識を若い世代へ伝授できるという点においては、研究者として大きなやりがいを感じられるでしょう。
3つ目は、年齢にかかわらず研究を続けられるという点です。
企業に勤務する場合には、成果や実績を上げると管理職に登用されることが多く、研究を続けることができなくなるケースが少なくありません。
しかし大学教授なら、何歳になっても研究に従事できます。
4つ目には、年収アップがあります。
企業に勤めている時の年収には個人差があるものの、大学教授になれば年収1000万円を稼ぐことは十分に可能です。
年収アップも、転職の理由の一つかもしれません。
企業の研究者を引き抜くことは大学側にもメリットがある
企業から研究者を引き抜いて大学教授にすることは、大学側にとってもメリットがあります。
1つ目は、大学で研究員として働く人材に対して、大学以外の場所で成果や実績を上げた人を引き抜くことで刺激を与えられるという点です。
外部から新しい風を入れることによって、研究室の雰囲気やモチベーションのアップにもつながります。
2つ目は、実績や知名度のある人物を大学教授として迎えることは、これから入学してくる学生にとってプラスのアピールができるという点です。
特に、将来は研究職に就きたいと考えている学生にとっては、特定の分野で実績を上げた人材から直接講義を受けられるということは、大きなプラスとなります。
また、どの大学へ進学するのかを決める際の判断材料にもなるでしょう。
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