「献上する」と「差し上げる」は使い方も一緒?謙譲語の注意点

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謙譲語は日本語のなかでも使い方や注意点がわかりにくいものですが、特に、「献上する」と「差し上げる」は使い方を混同しやすい表現として知られています。

 

「献上する」と「差し上げる」は果たして、謙譲語として同じ使い方で良いのでしょうか。

 

意外とわかりにくい謙譲語の使い方の注意点について詳しく見ていきましょう。

謙譲語以外にも!敬語の意外な使い方

日常のなかでついつい誤用しがちなのは謙譲語ばかりではありません。

 

尊敬語のつもりだったのに実は謙譲語だったり、あるいはその反対だったりと、知らず知らずのうちに言葉を誤って使ってしまって目上の人に対して失礼になっている、ということも充分に考えられますので、謙譲語ばかりでなく、尊敬語の使い方についてもしっかりとおさえておきましょう。

 

なお、敬語の分類として丁寧語がありますが、丁寧語は厳密に言うと敬語ではありません。

 

確かに、「〜します」など語尾につけると丁寧な印象にはなりますが、それだけで正式な敬語にはなりませんので、社会人として注意しましょう。

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謙譲語「献上する」と「差し上げる」の基本的な使い方

「献上する」と「差し上げる」はどちらも謙譲語ですので、かしこまった手紙やビジネス文書などでも、自分の立場を低めるために用いるのが本来の使い方であるとされています。

 

したがって、たとえば目上の人への手紙のなかで「先生が先日私に差し上げた御品につきまして……」などと書くのは謙譲語の使い方としては誤りで、相手に対しても失礼になってしまいます。

 

どちらかというと、「献上する」のほうが「差し上げる」よりもややかしこまった印象があり、謹呈本やお歳暮、お中元をいただいた際などの御礼状で用いるのが正式な使い方になります。

 

一方、「差し上げる」のほうが「献上する」よりもフランクな印象があり、それほどかしこまった間柄でなくても、たとえば「この間奢ってもらったのでお礼に映画のチケットを差し上げます」などと使うのがポピュラーです。

 

「献上する」と「差し上げる」はどちらも謙譲表現ですが、「献上する」と「差し上げる」では丁寧さの度合いとしては若干の違いがありますので、使い分けにも充分に注意する必要があります。

 

ビジネス文書やかしこまった手紙では尊敬語と謙譲表現を混同することのないよう、日頃からマナーのハウツー本などを携帯し、目上の相手に対して失礼な印象を与えないように気をつけましょう。

 

日常語としてはあえて「献上する」を使わず、「差し上げる」だけでも敬語としては不足がないのかもしれません。

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