「取り付け騒ぎ」の「取り付け」の意味や語源は?

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「取り付け騒ぎ」などという時の「取り付け」とは具体的にどのような意味なのでしょうか。

 

「取り付け」というと何かのものを別のものに取り付けることをイメージしてしまいます。

 

それがなぜ金融分野で使用されるようになったのか、語源を調査しました。

取り付けの意味と語源

「取り付け騒ぎ」の語源は「取り付ける」という動詞です。

 

「取り付ける」には、もともと「自分のもとに取り寄せる」「自分のものにする」といった意味合いがあります。

 

この表現は金融の世界で使われるようになり、預金者が金融機関から自身の預金を取り戻す、つまり「自分の元に取り寄せる」行為を指すようになりました。

 

この「取り付ける」行為が集団的に行われると、金融機関の資金繰りに大きな影響を与え、機関の破綻につながる可能性があるため、「騒ぎ」という言葉がつき、「取り付け騒ぎ」という表現が生まれました。

 

ここから「取り付け騒ぎ」は「預金者が一斉に預金の引き出しを行い、金融機関の運営に混乱を生じさせる現象」を指すようになったのです。

 

なお、「取り付け」の語源は15世紀の日本に遡ることができますが、金融の文脈での使用は比較的新しく、19世紀後半に初めて文献に登場します。

 

これは金融システムが発展し、預金という概念が一般的になるにつれて、この用語が広まったと考えられます。

取り付け騒ぎ発生の仕組み

具体的な「取り付け騒ぎ」が起きる過程を詳細に説明すると、まず何らかの理由で金融機関への信用が揺らぐ事態が生じます。

 

これは、たとえば金融機関自体の経営状態が悪化したとの情報が広まった場合や、経済状況全体が不安定になった場合などです。

 

そのような状況が生じると、預金者たちは自分たちの資金を保護しようとし預金を引き出し始めます。

 

このとき「取り付ける」の語源が生きてきます。

 

預金者たちは自分の預金を「自分の手元に収めておく」ため、すなわち「取り付ける」ために、金融機関に行くのです。

 

この動きが一部の預金者から全体に広がり、大量の人々が一斉に預金の引き出しを始めると、それが「取り付け騒ぎ」となります。

 

この騒ぎが大規模になると、金融機関の資金繰りに重大な影響を与え、最悪の場合、金融機関が破綻する可能性すらあるのです。

 

こうした取り付け騒ぎを防ぐために、現代の金融制度では預金保険制度が設けられています。

 

金融機関が破綻した場合でも預金者の資産が一定範囲内で保護される制度です。

 

そのため、現在では取り付け騒ぎが発生する可能性は基本的に低いと言えるでしょう。

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