駐輪場代は交通費として請求できるの?

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会社に通うために自転車を使っている場合、駅前などの駐輪場に停めることが多くなります。

 

すると、定期利用の契約を結ぶなどして、それなりのお金がかかってしまいます。

 

ここで考えたいのが、駐輪場代は会社から交通費として出してもらえるのか?という点です。

 

電車の定期代は当然交通費として請求できるもので、経費として認められています。

 

しかし、駐輪場代となると電車の定期代とは違う感じもありますので、判断に悩むところでしょう。

会社によって駐輪場の支給については考えが異なる

まず、会社が社員の通勤に使われる駐車場代を正当な交通費として認めて、それを通勤手当として支給するかどうかは、それぞれの会社が決めることとなっています。

 

そのため、特に法律では駐輪場代を社員が支払っているから、会社が支給しなくてはいけないという決まりはありません。

 

そもそも自転車で一般的に通う距離というのは、移動手段としていろいろな選択肢があるからです。

 

たとえば、自宅から駅までの距離であれば、健康のために歩いて通うという人も多くいます。

 

また、雨が降った時は濡れるのを避けるために、自転車ではなく家族に車で送ってもらったり、歩いていったりすることもあり、自転車のための駐輪場が必ずしも必要とは言えないことがあるからです。

 

また、一部の区間であっても自転車での通勤を禁止している会社も出ています。

 

というのも、自転車が関係する事故が増えていて、しかも自転車事故による損害賠償の金額が高くなっているからです。

 

企業が自動車での事故というリスクを避けるために、自動車通勤を禁止するように、自転車利用を禁止することも多くなっているのです。

 

当然、こうしたルールを設けているところであれば、駐輪場代は交通費として認められないことになります。

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駐輪場代は交通費として非課税対象となることもある

では、駐輪場代を交通費として請求するのが間違っているのかというと、そうでもありません。

 

というのも、駐輪場にかかる費用は、税制上交通手当の一部として認めて良いことになっているからです。

 

つまり、法令上、駐輪場代は交通費になるというお墨付きがあるのです。

 

これは所得税法施行令という法令によって、自転車を使って通勤する場合にかかる費用は非課税になると定められていることによります。

 

つまり、会社は正当な経費として駐輪場代を計上できるわけで、当然社員に交通費という形で支給することが可能です。

 

ただし、法令では自転車を使った通勤の距離によって、非課税となるかどうかが分かれます。

 

具体的には2Km未満の場合は完全に非課税となります。

 

2Kmを超えると、非課税の限度額が変わってきてしまいます。

 

そのため、会社としてもこの法令の条項を原則として、駐輪場代を交通費として認めるかを決めることもできるでしょう。

 

自転車を使う距離が2Km以上であれば、駐輪場代を交通費として請求できるといった形にするのです。

 

それより少ない距離であれば、徒歩で十分移動できると考えて、駐輪場代は支給しないと決めるのです。

 

そして、2Km以上であってもバスなどの公共交通機関がある場合には、そちらを使ってもらうことにして、駐輪場代は支給しないという条件を付けることもできます。

 

一般的に交通費と言うと、バスや電車などの公共交通機関の利用料金のことばかり考えられがちですが、自転車で通勤する人が多いという事実も考えると、自転車に関係する費用を支給するのは理に適った考え方です。

 

そして、自転車通勤にかかる費用としては駐輪場代しかありませんので、企業の責任の一つとして、正当な条件を付けつつ駐輪場代を支給するのは正しいと考えることもできます。

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