変遷と歴史の違いって何?ポイントは物事との関わり合い

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時の流れを表す言葉はいくつかあります。

 

「変遷」と「歴史」も時の流れを表しますが、この2つには違いがあるのでしょうか。

変遷と歴史の違いは物事が関わっているかどうか

違いを探っていく前に、それぞれの言葉が表していることを理解する必要があります。

 

「変遷」というのは時間の流れと共に移り変わることを意味しています。

 

長い年月が経過することで自然と変わっていく有様を指しています。

 

一方「歴史」ですが、人や人が関わり合う社会で過去に起こった事実やそれらの事実を記録したものです。

 

またある物事が変化してきた過程も同じ言葉で表します。

 

同じように時の流れを表す言葉でも、変遷はどちらかと言えば自然に変わっている様子を表すのに対して、歴史は何か人が関わり合っている物事が関係する時の流れを表しています。

価値観によって変わる歴史と変わらない変遷

変遷と歴史の違いをより具体的に考えていくと、解釈によって歴史は変わることがあるが、変遷は変わらないといった違いが出てきます。

 

例えば日本の歴史はここ数年で変化がありました。

 

有名なところでは鎌倉幕府の成立に関わる年号です。

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ある一定以上の年齢の方なら、鎌倉幕府ができたのは1192年と記憶しているでしょう。

 

しかし、今日本史を習っている学生は1185年が鎌倉幕府の成立年であると習います。

 

どうしてこのように変わったのでしょうか。

 

鎌倉幕府を成立させた源頼朝は1192年に征夷大将軍に任命される前に、1185年に朝廷から勅許を受けたことで事実上の実権を握っていたと考えられます。

 

そのため、鎌倉幕府の成立は征夷大将軍になった年ではなく勅許を受けた年の方が正しいと考えられたのです。

 

新たに解釈されることによって歴史が変わった例といえます。

 

しかし鎌倉幕府を開いた源頼朝が1185年に朝廷から勅許を受け、1192年に征夷大将軍になったという変遷は変わりません。

 

移り変わった事象そのものを表す変遷は、異なる価値観の人が見た場合でも変わることがないのです。

もっとわかりやすい違い

変遷と歴史の違いは英語にするとより分かりやすいかもしれません。

 

変遷を英語にすると「transition」で「伝統」という言葉にも置き換えられます。

 

歴史は「history」で、「由来」という言葉にも言い換えられます

 

また変遷は動詞化できますが、歴史は動詞化できません。

 

動詞化というのは名詞に「する」をつけることで名詞が動詞のように使えるようになることです。

 

変遷するとはいいますが、歴史するとはいいません。

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