「変遷を繰り返す」という表現には違和感がある?

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複数の言葉を組み合わせることで人はさまざまなことを表現しますが、組み合わせ方によっては違和感を覚えるものがあります。

 

「変遷を繰り返す」もそのような組み合わせの1つでしょう。

「変遷」と「繰り返す」の意味を考えてみよう

なぜ「変遷を繰り返す」という表現に違和感を覚えるのかを考える前に「変遷」と「繰り返す」の2つの言葉の意味を考えてみましょう。

 

「変遷」という言葉は、「時の流れと共に移り変わること」や「移り変わる様子」を表しています。

 

比較的長いスパンの時間の経過によって移り変わる場合に使われています。

 

では「繰り返す」はどうでしょうか。

 

繰り返すというのは「何度も同じことをすること」を表しています。

 

経過する時間の長さは特に関係はありません。

 

2つの言葉の意味を考えると、逆の意味合いを持つ言葉であることが分かります。

変わることと同じことが並列する違和感

「変遷を繰り返す」という表現は、移り変わることを表している「変遷」と同じことを表している「繰り返す」が並列することで違和感が出てきます。

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しかし次の例文のようなケースでは、さほど違和感がない可能性もあります。

 

例:銀行は合併と買収といった変遷を繰り返している。

 

平成に入り多くの銀行が合併したり買収したりすることで変遷してきました。

 

一度合併した銀行が別の銀行と再度合併したり、買収したりする変遷を何度もしてきた結果が現在の状態です。

 

そう考えると変遷という事象を繰り返していることになります。

 

このような場合は強い違和感はないでしょう。

 

つまり、使い方次第で違和感がある場合とそうでもない場合が出てきます。

言い換えられる場合は言い換えた方がベター

変遷という言葉はある程度の時間の流れと共に起こる変化を表す表現なので、人によっては変遷を繰り返すという言葉に強い違和感を覚えることがあります。

 

そのため、もし言い換えられる場合には言い換えたほうがベターでしょう。

 

先ほどの例文なら、次のように言い換えられます。

 

換:銀行は合併や買収による再編を繰り返している。

 

変遷よりもより具体的に「何を」繰り返しているのかが分かりすっきりとした表現になります。

 

このように言い換えることで繰り返す対象が分かりやすくなるため、違和感を覚えることがなくなります。

 

何となく言葉の表現に違和感を覚えた場合には、他に言い換えられる言葉がないかを考えてみるとよいでしょう。

 

言い換えることですっきりと表現できるようになるケースは多くあります。

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