「理念のもと」の「もと」はどの漢字をあてるべきか
日本語には同じ音で似たような意味をもつ文字がたくさんあります。
「もと」と読む漢字も複数あり、その意味合いも似ているものが多くあります。
では「理念のもと」と書く場合はどの漢字をあてるべきなのでしょうか。
「理念」の意味を考える
「もと」の漢字を考える前に、まずは「理念」の意味を考えていきましょう。
よく企業理念や経営理念といった言葉を聞くことがありますが、実際に理念というのがどのような意味合いを持つのかあいまいな人も多いでしょう。
この「理念」というのは根本的な考え方を表しています。
例えば企業理念というと、その企業が企業としてあるための根本的な考え方となります。
どういうことを仕事にする企業なのか、社会とどのように関わっていきたいと考えているのかなどが表されます。
4種類の「もと」
ここからは実際に「もと」の漢字を考えていきます。
「もと」という読み方をする漢字は沢山ありますが、「基」「下」「元」「本」の4つがよく使われています。
このうち1つだけは正解で、3つは誤用ですが、誤用される理由もあります。
「基」は基準や基礎といった言葉に使われるように、土台となることを表す言葉です。
スポンサーリンク例えば「失敗は成功の基」という使い方があります。
これは失敗という土台があるからこそ成功するという意味合いです。
「下」はあるものの下を表す言葉です。
木の下や建物の軒下など具体的に上下があるものの下の部分を表しています。
「元」は物事が始まることや始まりを表す言葉です。
例えば「図書館で借りた本を元に戻す」という使い方があります。
借りようとしたときに本があった元の場所に返すという意味合いとなります。
「本」は物事の根本を表す言葉です。
明らかに分かる出発点というよりは、基本的な考え方の始まりの部分と考えると分かりやすいかもしれません。
「本を正す」「本から生活を見直す」といった使い方があります。
理念のもとの「もと」は「元」がふさわしい
4つの「もと」の中から「理念のもと」の「もと」として相応しい漢字は「元」です。
その根本的な考え方を始めとすることを表すのが「理念の元」です。
「基」を使うのであれは、理念の基ではなく「理念を基に」が適切でしょう。
他の人が掲げている理念に従うのであれば「下」でも間違いではない可能性があります。
「本」については理念と同様に根本を意味する言葉なので、あえて「理念の本」と記載することはほとんどのケースでありません。
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