給料明細を見たら「戻入」という項目があった これはどんな意味?

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給料明細にはたくさんの項目があります。

 

基本給やさまざまな手当などは、毎月のように記載されていますし、何となく項目の名前を見れば分かるものです。

 

しかし、時に普段では記載されない項目に金額が記入されていると疑問に思うものです。

 

そうした項目の一つに「戻入」というものがあります。

 

ここに金額が記載されているのは、どんな状況なのかチェックしてみましょう。

給料明細の戻入は過払い分の返還を意味する

給料明細の戻入の欄に記載がある場合、以前の給料支払いで過払い分があったので、その分を差し引いているということを示しています。

 

つまり、実際の給与額はその金額が差し引かれて支払われているということになります。

 

戻入の対象となる過払いというのは、いろいろな状況によって生じます。

 

たとえば、基本給や手当などの制度が変更されたり、自分に適用されるものが減額されたりしたものの、変更があった月には実際には引かれていなかったというケースです。

 

また、シンプルに給与計算が間違っていて、前月の給料が多く計算されもらい過ぎていたということでも過払いが発生します。

 

その後、会社側でミスに気付いて、支払い過ぎていた分を次の月に戻入という形で差し引き、プラスマイナスゼロにするというわけです。

戻入は法律違反ではないのか?

このように、戻入は会社側がいわば強制的に過払い分を差し引いているわけです。

 

これは、労働基準法では違反となります。

 

というのも、労働者の生活を守るために賃金は毎月全額支払いをしなくてはならないと定めているからです。

 

しかし、これには例外もあります。

 

もし会社側と労働者の間で、過払い分があった場合に賃金から控除しても構わないという労使協定を結んでいる場合は、戻入による差し引きが認められることとなっています。

 

これはあくまでも例外的な事項です。

 

また、事前に従業員に対して過払いがあったということを話して、翌月の給料から差し引くという同意を得られている場合も認められます。

 

さらに、ある程度給与額が高い従業員に限定されますが、戻入によって差し引かれても、従業員本人の生活が困らない程度の金額である場合は、賃金からの控除をしても問題ないという判例も存在します。

 

いずれにしても、もし給料明細に覚えのない「戻入」の記載があった場合は、給料明細を持参して上司や経理に確認した方が良いでしょう。

 

本来であれば給料明細を渡す前に本人に知らせるべきことですので、説明を求めるのは当然のことです。

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