叙勲の勲記に記されている「璽をおさせる」の読み方と意味

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叙勲を受章するという栄誉ある機会は一般の人にはほとんどありませんが、受章者が受けとる証書には「璽をおさせる」という記載があります。

 

この璽という文字の読み方、そして璽をおさせるという文言の意味について読み解いてみましょう。

叙勲・勲記の変化

春秋叙勲という言葉を聞いた事があるはずです。

 

これは毎年4月29日の昭和の日と、11月3日の文化の日に発表される国から授与される勲章の事です。

 

多くの著名人、文化人が受章する映像が、テレビのニュースで流れるのが毎年恒例となっています。

 

もちろん幅広い分野において、国や社会に貢献したと判断されれば民間の方でも受章対象者になりえます。

 

勲章を受章すると、勲章を受章した事を証明する勲記と呼ばれる証書も授与されます。

 

こうした日本の勲章の文化は1888年(明治21年)に制定されてからずっと、今日まで受け継がれてきていますが、書式もろもろは初期から比べて様々な変化を遂げています。

 

かつてシンプルな作りの勲記は、勲六等以上に天皇陛下の署名が入っていましたが、後に勲三等以上となり、勲四等より下は国璽のみ押される事となったのです。

国璽について

国璽とは、コクジという読み方が正解です。

 

国璽とは、日本国において叙勲の際の勲記にだけ使用されている貴重な印章となります。

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勲記のど真ん中に大きく押されており、1871年(明治4年)の制定で使用されたものは純金製の1つの辺が91mmの立方体、重さはなんと3.5kgもあるそうです。

 

国璽にある印文には、大日本国璽と書かれています。

 

国璽は宮内庁侍従職にて大切に保管されています。

璽をおさせるの読み方

もうおわかりかと思いますが、璽をおさせるの読み方はジをおさせる、となります。

 

勲記には、「日本国天皇は ○○に○○章を授与する 皇居において璽をおさせる」と記載されています。

 

ここで読み方に疑問が生じます。

 

勲章は授与するとあるのに対し、璽をおさせるとあります。

 

璽をおさせるの意味とは、天皇が自ら捺すのではなく、他の人に命じておさせるために「おす」ではなく「おさせる」という日本語になるわけです。

 

なお、国璽そのものが重い為、乗せるだけで印字できるから押印ではないという解釈もあるようです。

 

叙勲で授与される勲記に書かれている璽をおさせるの読み方は、ジをおさせるとなります。

 

国璽を意味する言葉で、勲記にだけ使用される印章です。

 

天皇が別の人間におさせることから、勲記に璽をおさせると記載されています。

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