落成式にはどんな由来がある?
建物の工事には、様々なタイミングでお祝い行事が開催されます。
その一つである落成式は、建物の工事が完成したタイミングで行う慶事で、たくさんの人が招待されます。
この式には、どのような由来があるのでしょうか。
落成式の由来には諸説アリ
建物の工事が終了した時に行うお祝い行事には、落成式と竣工式とがあります。
このうち、竣工式は神事の一つで、神様に建物の完成を報告すると同時に、無事に完成したことを感謝するという目的で行われるものです。
一方、落成式というのは、建物を関係者にお披露目するという目的で開催されるもので、神事ではありません。
建物のお披露目が目的なので、招待されるのは工事関係者や取引先などを始め、工事の際には騒音で迷惑をかけた近隣住民や周辺の法人や商業施設など、広い範囲に渡ります。
落成という言葉は、私達が日常生活の中ではあまり使うことがありません。
「工事が終了した」という意味がありますが、どのような由来で使われているのか知っている人はあまり多くはないでしょう。
落成式の由来には、いくつかの説があります。
1つ目は、こけら落としに由来しているという説があります。
こけらというのは木屑のことです。
建物を工事している最中には、床に落ちた木屑を拾い集めて掃除するという作業は行わず、建築作業に集中します。
そして、工事が終わったら木屑をスッキリと落とします。
この作業を、こけら落としと呼んでいます。
落成式という読み方は、こけら落としに由来しているのではないかというのが、現在では多くの人に知られている説です。
2つ目は、落成という言葉には、物事が完成するという意味があり、それに由来した言葉が使われているという説です。
「落」という言葉は、一般的には縁起があまり良くないと考えられていますが、「一件落着」とか「落成」の様に、物事が完成・完了するという区切りを示す意味もあります。
建物の完成によって、これまでの努力が実ったという意味合いを持たせるために、落成式と命名されたのではないか、というのが、由来に対する一つの仮説となっています。
スポンサーリンク落成式の日程は誰が決める?
工事が終了して建物が完成すると、まず最初に竣工式が行われます。
竣工式と落成式をまとめて1回でお祝い行事にするというケースもありますが、別々に行う場合には、まずは建物の完成時のタイミングで竣工式を開催するのが一般的です。
竣工式は神事なので、たくさんの人を招待して大きな規模で開催する必要はありません。
竣工式が終わると、建物のお披露目を目的とした落成式を開催することになります。
これは、お世話になった人や、工事の関係者、取引先、また工事中には迷惑をかけた周辺の地域住民や商業施設などを幅広く招待するため、規模が大きくなることが多いものです。
工事が終了してからどのぐらいのタイミングで開催しなければいけないというマナーなどはありませんが、竣工式の後に日にちを選んで開催されることになります。
法人の場合、大きな規模で行うことは、それだけ費用がかかるでしょう。
しかし会社にとっては、PRに結びつけられるビジネスチャンスになる可能性が高いです。
そのため、竣工式とは開催の目的や由来は異なるものの、落成式は開催したほうが良いでしょう。
落成式の日程を決めるのは、その建物の施主です。
基本的にはどの日に開催しても問題はありませんし、マナー違反になることはありません。
しかし、開催日を決める際には、暦を参考にしてできるだけ縁起が良い日を選びたいものです。
例えば、仕事始めにはバツグンに縁起が良いと言われている一粒万倍日や天赦日、不成就日などは人気があります。
しかし、こうした特別な大吉日は、年に数回程度しかなく、工事が終了するタイミングとは、合わない可能性があります。
その際には、六輝や中断、二十八宿などを中心として、暦の日柄が良い日を選ぶと良いでしょう。
暦にこだわり過ぎて建物の完成からあまり日数が経ってしまうと、落成式の意味合いがなくなってしまいます。
その点は、注意しましょう。
落成式は、その由来や目的を考慮し、建物が完成してからできるだけ早い時期の開催がおすすめです。
検討している日程内のうち、最も暦的に良い日を選ぶという方法が良いでしょう。
また、竣工式と落成式を合わせて行う場合には、竣工式を開催する神社の予約が取れる日を選ぶことになります。
落成式にかかる費用にはどんなものがある?
法人が落成式を主催する際には、かかる費用は項目によって仕分け方法が異なる点を理解しておかなければいけません。
落成式にかかる費用には、飲食代や祭事準備費用、交通費や記念品代などがあります。
このうち、交際費に該当する項目には、飲食費以外にかかった宴会費用を始め、記念品代や交通費などが含まれます。
飲食代は交際費となりませんし、祭事準備にかかる費用も、交際費という扱いで仕訳ることはできません。
なお、落成式という大きなくくりで仕訳てしまうのではなく、項目ごとに細かく仕分けたほうが、長期的にはかかった費用や項目を管理しやすくなります。
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