天王星は地球より大きいけど小さい?重力加速度について考えよう
私たちの動作や体重は、重力加速度というものが大きく関係しています。
そしてこれは惑星によって基準が異なります。
地球では持つことができない重いものが、別の惑星では持てるかもしれません。
もしも私たちが天王星に行った場合は、どのような変化が起こるのでしょうか。
質量と重量
物体には、質量と重量が存在します。
質量とは物体そのものに含まれている量のことを指します。
そして重量とは物体にはたらく重力の大きさを指します。
質量は物体そのものの量なので、重力によって値が変化することはありません。
その一方で重量は、物体に働く重力の大きさとなるので値は変化します。
単位はそれぞれ、質量にはgやkg、重量にはN(ニュートン)が使われます。
重力加速度とは
質量のある物体に、何も力を加えず落下させるとその速度はだんだん上がっていきます。
つまり物体に対して重力がかかることで発生する加速度を、重力加速度と言います。
重力加速度についてはかつて実験が行われました。
この実験では、ピサの斜塔から大小2つの金属の玉が落とされました。
そしてこのとき、物体の重さによって落下速度は速くなったり遅くなったりしないということが証明されたのです。
単位にはm/s2が用いられます。
重力加速度は計測場所によって結果が異なります。
そのため地球の場合は標準重力加速度として9.80665m/s2という数値が決められています。
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ここまでの考えを踏まえて、自分がさまざまな惑星を訪れたとしましょう。
重力は惑星によって異なります。
映像などで、宇宙飛行士が月面でふわふわと高くジャンプしながら移動している様子を見たことがあるのではないでしょうか。
これは月が地球の1/6の重力しかないためです。
同じ質量の物体を落としても、月と地球では重力加速度が異なります。
そのため空気抵抗などは無視した場合、月面でジャンプすると地球の6倍の高さまで上がることができると言えるのです。
天王星の重力加速度とは
地球から見ると、遠く離れた天王星はとても小さく見えます。
しかし天王星の直径は地球の4倍にあたるほど、大きな星です。
天王星は太陽系の惑星の中で、木星、土星に続いて3番目の大きさを誇る大きさです。
また質量は地球の14倍あります。
ただし、天王星のほとんどが軽いガスや氷でできています。
そんな天王星の重力加速度は8.43m/s2とされています。
つまり地球の0.86倍の程度しかなく、すこし重力が弱めであることがわかります。
体重50kgの人の場合、天王星では43kgの重みを感じるというイメージです。
ちなみに天王星よりも大きい木星と土星の加速度についても見ていきましょう。
太陽系の惑星上、最も大きいといわれる木星は20.87m/s2で地球よりも約2.1倍の重力を持っています。
つまり体重50kgの人が木星では105kgの重みを感じることになります。
木星の重力は、太陽を除く太陽系の惑星の中で、最な強い重力を持つ星です。
土星の場合は7.207 m/s2で地球の0.7倍の重力ということになります。
そして前述の天王星よりも小さいことがわかります。
太陽系で第二の大きさを誇る土星ですが、重力だけを比較すると、地球や天王星よりも小さいことがわかります。
これは土星がほとんどガスでできているためです。
そのため密度がとても小さく、水より軽い特徴をもっているのです。
重力加速度を太陽系の惑星の中で比較すると、木星に次ぐ重力加速度を持つのが海王星(10.71m/s2)、そして3番目が地球になります。
反対に最も小さいのが火星(3.69m/s2)、次いで水星(3.7m/s2)です。
どちらも地球と比較すると0.38倍程度です。
このことから、惑星そのものと大きさと、重力は関係がないということがわかります。
惑星の中でも、環境によって重力加速度が全く異なることがわかりました。
惑星ごとに違いを知りたい場合は、実際に自分の体重で計算してみるとイメージしやすいかもしれません。
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