海王星には太陽系惑星の中で最大級の風が吹いている!なぜそれほど強い風が吹くのか?
海王星は、一面全て真っ青というわけではありません。
よく見ると黒く影のようなものが見えるところや、白い雲のようなところもあります。
これらは全て海王星で起きている嵐なのです。
とても風が強い場所なのですが、なぜ海王星で嵐が起こるのかというと、様々な理由があります。
強風はガス惑星ならば珍しいことではない
地球でも台風が発生することがありますが、他の惑星でも台風のような暴風や嵐が起きることがあります。
ちなみに土星や木星でも強風や嵐は起きているのです。
土星の場合は「大赤斑」、木星の場合は「大白斑」と呼ばれています。
実は強風が起きること自体は、ガス惑星ならば全く珍しいものではありません。
これはガス惑星の特徴に関係していると言われています。
ガス惑星である木星・土星・天王星・海王星は、自転が他の惑星と比較して速いのです。
そのため、通常東から西へ流れる大気の流れが、他の惑星よりも早く流れていきます。
それにより強風が発生しやすいのです。
このように、ガス惑星では強風が起きることは、全く珍しいものではありません。
スポンサーリンク海王星の暴風は太陽系最大級
海王星も他のガス惑星と同じように、強風が吹く場所があります。
海王星は綺麗な青い色が特徴ですが、強風が吹いている場所は色が違うので目で見てわかるのです。
黒い影のようなものが表面を覆っている場所がそれであり「大暗斑」と呼ばれています。
大暗斑は1989年ボイジャー2号が初めて発見しました。
この大暗斑は風速2400キロもあり、太陽系の惑星では、最大級の強さです。
大暗斑の下にも小さな嵐が複数観測されました。
白い雲のようなものは「スクーター」と呼ばれ、大暗斑よりも速く移動したことが確認されたのです。
また、同じ時に「小暗斑」も発見されました。
これは低気圧性のもので、大暗斑の次に大きな嵐です。
1989年に発見された大暗斑ですが、1994年にハッブル宇宙望遠鏡で観測した際には消失されていました。
以前確認できた大暗斑とは別に、北半球部分に大暗斑に似た新しい嵐を発見されたのです。
1989年から1994年という短期間に、大暗斑ほどの大きな嵐が消えてしまった謎については解明されていません。
海王星の大気がそれだけ活発に動いているのではないか、と言われています。
なぜ海王星では暴風が吹いているの?
ガス惑星にとって、強風が吹くことは珍しいことではありません。
しかし、なぜ海王星では他の惑星と比較しても強すぎる嵐が発生するのか、はっきりとした理由はまだ判明されていないのです。
はっきりと解明されてはいませんが、1つの仮説として海王星の内部熱源が原因になっているのはないかと言われています。
海王星は太陽系の惑星の中では、一番太陽から距離が遠いです。
その分、他の惑星よりも太陽の光も熱も影響を受けません。
しかし、お隣の惑星である天王星と大気の温度がマイナス200度とそれほど変わりがないのです。
太陽から離れている割には温度が高いことから、海王星には内部に何かしらの熱源があると言われています。
この熱源が海王星の大気を他の惑星よりも活発にさせているのではないか、というのが有力な仮説となっているのです。
実際に天王星は太陽の1.1倍しかエネルギーを自分で放射できないのに対して、海王星は2.61倍も放射しています。
内部から放射するエネルギーが多いのがわかるでしょう。
この強力なエネルギー放射は、強風を発生させるのには十分な力になっていると言われています。
海王星は太陽からも地球からも遠いため、まだ謎が多すぎる惑星です。
太陽系の惑星の中でも最大級の嵐が発生しているか、なぜかははっきりとわかっていませんが、長い年月をかけて、いつか解明するかもしれません。
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