極寒の地で地球人は住めない?!天王星の風速と環境状態
同じ太陽系の惑星でも、地球と他の星では大きく環境が異なります。
他の惑星については、私たちがまだ知られていないことがたくさんあります。
中でも遠く離れた天王星や海王星については、未知の部分も多い惑星です。
天王星の特徴
天王星は太陽から7番目に遠い惑星です。
太陽からの距離は28億7503万kmあります。
大きさは太陽系の惑星の中では木星・土星に続き、半径が25559kmあります。
近代になってその存在が明らかになった星で、1781年にイギリスの天文学者によって発見されました。
天王星の質量は地球の14倍に相当し、ほとんどが軽いガスと氷でできています。
密度は水の1.27倍に過ぎず、重力も弱いのが特徴です。
重力は地球と比較しても9/10しかありません。
特徴の一つとしてあげられるのが、自転軸が公転面に対して98度も傾いている点です。
つまり自転軸が横倒しの状態になっており、ごろごろと転がるような状態で太陽の周りをまわっているのです。
自転軸がこのような横倒し状態になっている理由は、定かではありません。
一説によると、過去に大きな天体がぶつかってしまったからではないかと言われています。
こうした自転軸を持っているため、北極や南極の真上のところに、太陽が来ることもあります。
他にも表面部分を観察してみると、色は青っぽい緑がかった色をしているのが特徴です。
これは大気に含まれるメタンによるものです。
このメタンが赤い光を吸収するので、青みがかったように見えるのです。
スポンサーリンク天王星に人は住めるのか
その答えはノーです。
天王星は平均表面温度がおよそマイナス205度あります。
さらに最低気温はマイナス214度となっています。
太陽からかなり遠い位置ということもあり、超低温な環境となっているのです。
また中心部分に氷の塊があり、極寒の地面が存在します。
そこへ行きつくにも、周囲でメタンなどが爆発を繰り返して生じる高温ガスの空間を抜けなければなりません。
さらに前述のように、ほぼ横倒しの状態で自転していることから、太陽の当たり方も極端に違いがあります。
南極や北極では、昼夜の長さが42年続くことになります。
寒さに耐えることが難しい上、長すぎる昼と夜にうんざりしてしまうことでしょう。
どれくらいの風速なのか
1986年1月、惑星探査機のボイジャー2号は、天王星に接近しています。
その際、直接環を撮影した写真が残っているほか、雲の動きから風速も観測しています。
天王星では最大時速7900kmの風が吹いていることがわかりました。
ちなみに地球で起きた最強のハリケーンの風速は時速369kmと言われています。
地球上では風速が時速60kmあれば、木造の建築物などはいとも簡単に壊れてしまいます。
また電柱や街路樹などもなぎ倒されてしまうようなレベルです。
これらの風とは比べ物にならないくらいの風速だというとがわかります。
ほかにもすごい風の速さを持つ星が
風速の速さで話題に上がるのが、天王星から近い場所にある海王星です。
海王星は、太陽系の中で、天王星に次ぐ4番目の大きさを持つ星です。
天王星も太陽から離れていますが、海王星はさらに離れており、43億5000万km先の場所にあります。
太陽の光が冥王星に到達するには4時間も要するのです。
海王星も無人宇宙探査機のボイジャー2号が到達しています。
天王星の接近から3年後となる、1989年8月のことです。
ちなみに海王星を直接観測したのは、この時だけになります。
この時にボイジャー2号は、地球2個分という巨大な黒い楕円形の模様を発見しました。
これは大暗斑と言われています。
そして、その時風速は時速2400kmと観測されました。
また海王星は平均風速においても、時速1600kmを超えると言われています。
このように、猛烈な風速の風が吹くという特徴の海王星ですが、なぜこのような風速の風が吹くのか原因は明らかになっていません。
風速ひとつとっても、地球以外の惑星特徴を調べると、想像もできない環境であることがわかります。
今後、天体技術や科学の発展が進むことにより、さらに驚くべき発見が出てくるかもしれません。
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