「進呈させていただく」と「進呈いただく」の違いは?使い方も解説
「進呈させていただく」と「進呈いただく」。
一見するとどちらも敬語としては同じ意味のようですが、このふたつは言葉の分類としてもまったく違う言葉ですので、かしこまったビジネスシーンなど誤用を招かないように注意する必要があります。
今回は、「進呈させていただく」と「進呈いただく」の敬語としての違いと使い分けについて具体的に解説していきます。
視点が違う!「進呈させていただく」と「進呈いただく」の使い分け
「進呈させていただく」と「進呈いただく」。
このふたつの決定的な違いは、視点です。
「進呈させていただく」は自分が目上の相手に対して何らかの物品などを贈る、差し上げるといった意味になります。
一方、「進呈いただく」は「進呈していただく」の省略形であり、目上の相手から物品などをいただく、贈られるという意味になります。
したがって、自分が目上の相手に対して何かを差し上げる際、「○○という品を進呈いただく」などと書くのは日本語として誤りであり、違和感があります。
スポンサーリンク「進呈させていただく」と「進呈いただく」。
両者はよく似ている表現ですが、使い方には明確な違いがありますので、使い分けには充分に注意しましょう。
「進呈させていただく」と「進呈いただく」以外の要注意ワード
「進呈させていただく」と「進呈いただく」以外にも、日本語として使い方の難しい敬語表現はまだまだたくさんあります。
日常の場面で目にふれる機会の多い表現としては、「御乗車いたしますか?」などがあります。
これは一見すると敬語として正しい表現であるように思われるかもしれませんが、「いたします」というのは謙譲語であり、相手に対して用いるのは敬語の使い方として適切ではありません。
上記の例で言えば、正しくは「御乗車なさる」、「御乗車になれます」のいずれかが正しく、このかたちならば謙譲語としてきちんと成立しています。
「進呈させていただく」と「進呈いただく」と同様、これらの表現も社会人として把握すべき表現ですので、合わせておさえておきましょう。
「進呈させていただく」と「進呈いただく」は視点が異なっており、前者は自分、後者は相手の行為に対して用いるのが正しい使い方とされています。
「進呈させていただく」と「進呈いただく」以外にも使い方を混同しやすい敬語表現はまだまだたくさんありますので、社会人として早い段階できちんと本来の意味についておさえておくようにしましょう。
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