監査役と常務、社内で偉いのはどっち？

企業の中には、さまざまな役職があります。

代表取締役や監査役、執行役など、企業の経営者としての役職がある一方で、社長や副社長、常務や専務といった職責上の地位もあります。

社長や取締役なら、企業の中でトップに君臨する偉い人だと分かりますが、監査役と常務とではどちらが偉いのでしょうか？

企業の経営者としての役職の一つである監査役は、株主総会で決められる役職です。

職務の内容は主に、取締役の行う職務が法律や定款に沿っているかどうかをチェックする、業務監査を行います。

また、株主総会に備えて計算書類の確認や準備を進める会計監査も、監査役の職務となります。

役員としての役職順位を見ると、トップは代表取締役、その下に取締役と会計参与がいて、その下に監査役が来ます。

監査役の下にも役職は数多くあり、理事や相談役、顧問、そして社外取締役などは、監査役よりも下に位置します。

企業という組織の中には、常務という役職もあります。

これは株主総会で選定されるものではなく、企業内で独自に決めることができます。

常務は企業の職責に関する役職で、職務は取締役及び執行人として、社長の業務をサポートし、日常業務の全体的な管理を行います。

職責の点で役職の順位をつけると、トップに来るのは会長で、その下に社長が位置します。

副社長や専務がその下にいて、監査役は専務の下となります。

ちなみに、専務の下にも役職は多くあり、支社長や支店長、部長や工場長などがあります。

上記の通り、監査役は経営者として株主総会で選任される役職なのに対して、常務は社内で選任される役職です。

どちらが偉いかという点ですが、残念ながらこの2つは同じ軸に位置する役職ではないため、比較することができません。

経営者としてのランキングでは監査役は上位に位置しますが、常務は経営者ではないため、ランキングには入りません。

一方で、企業内の職責という軸での役職ランキングでは、常務はとても高い位置に来ますが、株主総会で選任される監査役は職責におけるランキングには入りません。

つまり、どちらが偉いかを決めることはできないけれど、それぞれの役職の軸においてはどちらも偉いと言えるでしょう。

ちなみに、役職にはたくさんの種類があり、それぞれ順位付けがされています。

どの企業がすべての役職を使用しているわけではないため、監査役や常務という役職を持たない企業もあります。