企業の赤字転換とはどんな意味?
企業は利益を出してこそ経営を続けていけるのが普通ですので、黒字でい続ける必要があるように思えます。
しかし、中には赤字の年が続いている企業があったり、巨額の赤字を抱えるものの倒産しないところもあります。
さらには、黒字状態だったのに決算では赤字転換をしているところもあります。
この赤字であることの意味と、どうして赤字転換をあえてする会社があるのかをチェックしてみましょう。
赤字転換となるとはどんな意味?
一口に企業が赤字転換すると言っても、いくつかのパターンがあります。
まず、大きな設備投資をするなどして支出の方が収入を上回ったケースです。
これは会社経営をしていれば、短期では必ずと言っても生じることがあるものです。
取引の帳簿上は赤字となっていますが、企業に内部保留がある場合や事業以外の資産がある場合などは、余裕資金がありますのですぐに倒産につながるわけではありません。
経理処理の都合上、赤字となってしまうこともあります。
スポンサーリンク純粋な取引では収入が上回っているものの、帳簿上の借入金や減価償却の処理によって、経理では赤字となるケースです。
これもやはり長期間続くものでなければ、すぐに倒産の危機をもたらすものではありません。
一方で、危険な赤字転換もあり、むしろ赤字転落と呼ばれるものです。
特に経理上の処理で赤字転換するものでもなく、設備投資で経費が膨らんだということでもなく、単に売れ行きが落ち込んで赤字転換となった場合です。
これは、経営体力を大きく奪うもので、徐々に資金力を失わせて倒産のリスクを高めます。
戦略的に赤字転換をすることもある
上記のように、意図的ではなく赤字転換してしまったということが多いですが、時には企業があえて赤字処理をすることがあります。
これはほとんどの場合税金対策のためです。
大きな黒字が見込まれ納税額が大きくなりそうだという時に、あえて大きな設備投資をしたり、マイナス分の充当処理を前倒しして行ったりすることで、会計処理上の支出を増やして赤字にするのです。
赤字決算となれば法人税の支払いがなくなりますし、場合によっては何らかの助成制度を利用できる可能性も出てきます。
さらに、赤字を繰り越しできる税制を利用して、翌年の黒字も相殺できることになります。
こうした戦略的な赤字転換というのも、企業が取れる手段の一つで、内部留保があれば問題なく行えるやり方です。
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