赤字と黒字はあるけど白字と呼ばないのはどうして?

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収支の状態を表すためによく用いられる表現は、「黒字」と「赤字」です。

 

しかし、どうしてこれらの2色で表現されるのでしょうか?

 

なぜ白字とは呼ばれないのでしょうか?

 

そもそもの黒字と赤字の由来からひも解いて考えることができます。

赤字と黒字という表現が生まれた由来

黒字と赤字というのはとてもなじみのある言葉ですので、もともと日本語として存在していたような感覚に陥ります。

 

しかし、その由来は海外であると考えられています。

 

欧米では昔から簿記を、黒色と赤色のインクで分けて記載することが習慣となっていました。

 

収支においてプラスの状態を示すためには黒色インクを用いて、逆に支出が上回っている状態では赤色のインクを用いていました。

 

こうすることで、収支のバランスをすぐに見分けることができたからです。

 

そのため、英語を始め多くの言語でも、収入が上回っていることは黒が関係した言葉が使われ、マイナスになっている時には赤という言葉が入ります。

 

こうした簿記のやり方が西洋から日本に輸入されて、色分けについても国内で浸透していくことになります。

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収支のプラスマイナスは字の色で把握できるため、そのまま「赤字」と「黒字」という表現が使われるようになったのです。

 

こうした色分けによる区分はとても分かりやすく、すぐに誰でもイメージできるのがメリットです。

どうして白字という表現は使われないのか?

こうした2つの表現の由来を見れば、どうして白字という用語がないのかが分かります。

 

帳簿に付けるインクの色が元となっていますので、当然白色のインクでは字を書けないからです。

 

そもそもインクの色は黒色がほとんどで、赤色を使うこと自体も珍しいものでした。

 

また、帳簿には普通の紙を使っていましたので、白色では表記ができません。

 

白色のインクという観念そのものがありませんでしたので、白字という用語は生まれてこなかったわけです。

 

ただし、一部の企業では業績についての指標として、白字という表現を使っているところがあります。

 

こうしたケースでは、白字は赤字の状態から黒字に転換する境目あたり、つまりイーブンの状態を指して用いられています。

 

プラスマイナスゼロとか、どちらの状態に移行しつつあるということを表すために、白字と呼んでいるわけです。

 

もちろん、これは経済用語として一般的なものではなく、あくまでも一部の企業が独自の表現として使っているだけであることには注意が必要です。

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