13A規格の都市ガスを重量換算する方法
■メタンやエタン、都市ガスを構成する成分とは
今やガスは日常生活に欠かせませんが、その成分はどういったもので構成されているのでしょうか。
会社によって誤差はありますが、都市ガスの成分は89〜90%がメタン、4〜6%がエタン、3〜5%がプロパン、1%未満がブタンです。
大きな割合を占めるメタンは、泥土中の有機物が1億年以上もの長い時間をかけて発酵することで発生する天然ガス、可燃性気体です。
無色無臭で炭素数が非常に少なく、二酸化炭素の排出量が抑えられるので、大気汚染や酸性雨の原因になりにくいクリーンな気体です。
メタンの次に多いエタンは石油分解ガスや湿性天然ガスに含まれる気体で、引火性と爆発性をもっています。
プロパンとブタンは空気よりも重く、プロパンガスでの主成分でもある液化石油ガスです。
温度で起きるガス体積の変化
都市ガスの原料の多くを占める天然ガスは、液体の状態になると気体時と比べて体積が600分の1に縮みます。
この液体化した天然ガスをLNG(Liquefied・Natural・Gas/リクエファイド・ナチュラル・ガス/液化天然ガス)と呼びます。
スポンサーリンクマイナス162℃で液状化し、タンカーで海外から輸入されたLNGは日本の都市ガス製造工場で気化器に送られて気体へと戻され、他のガスを混ぜる事で熱量を調整し都市ガスとして完成します。
そのように日によって気温や気圧で状態変化する都市ガスの正確な重量換算、密度は求めることが出来ません。
また、ガス会社ごとに熱量を調整する上で、都市ガスを構成する4種類のガスそれぞれの%が全ガス会社で共通していません。
その為、ガス会社によって空気1.0に対しての比重が13A規格で0.56〜0.65と異なる数値が表記されています。
13Aタイプ都市ガス1m3あたりの重量換算は
正確な重量換算を求めるのが難しい都市ガスですが、空気との比重上の換算で大まかな値を計算する方法があります。
まず、気体の体積の単位はm3です。
空気1m3あたりの重量が1.293kg/m3なので、これに先ほどの13A規格の都市ガスの比重、0.56〜0.65を掛ける事で、都市ガス1m3あたりの重量が求められます。
例えば空気1m3をおよそ1.3kgとし、都市ガスの比重を0.65とした時、都市ガスの重量は0.845kgとなります。
これはあくまで机上でのおよその数値を求める方法であり、実際には温度が高い程に体積が膨れ、重量は軽くなっていきます。
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