仮設トイレのし尿汲み取り代は勘定科目のうちどれが適しているのか?
仮設トイレの汲み取り代は勘定科目において何の分類にすべきなのか。
「初めて仮設トイレを導入した」、「経理業務を始めたばかり」などの事情を抱える方はどう考えても答えが見つからず頭を抱えている可能性が高いです。
仮設トイレにおけるし尿の処理代は勘定科目のどの科目を選ぶのが正解なのか、気になっている経理ご担当者様や個人事業主様も多いでしょう。
周りの人に聞いてみても、「税理士に確認してみたら良い」と明確な答えをもらえないこともあります。
そこで今回は、仮設トイレとは何か?し尿汲み取りとは何か?という基本的なことから、し尿処理にかかる費用は勘定科目のうちどの科目で計上すれば良いのかについて確認していきましょう。
仮設トイレを設置するとし尿汲み取り費が発生する
事務所や工事現場などに仮設トイレ(簡易トイレ)を設置した場合、し尿処理料金がかかってきます。
仮設トイレとは、元々トイレがない場所に設置する簡易的なトイレのことです。
「簡易水洗トイレ」「非水洗式トイレ」「本水洗トイレ」「バイオトイレ」などの種類があります。
日本国内における主流は「簡易水洗トイレ」。
これは水が入ったタンクからくみ上げた水で排泄物を流せます。
定期的に給水とタンク内に蓄積する排泄物の汲み取りを行う必要があります。
「非水洗式トイレ」はいわゆるボットン便所と呼ばれるタイプのトイレです。
水を利用することなく排泄物を落とす仕組みとなっています。
工事も水も使わないというメリットがあります。
価格も安価です。
ただし、虫が湧きやすい・タンクに溜める排泄物のにおいが残るなどのデメリットも。
「本水洗トイレ」とは、水道と下水を使ったトイレであるため、排泄物の処理は不要ですが、給排水工事が必要となるため設置費用が高額になります。
家庭用トイレと同じように使える・においが少ないと言うメリットがあります。
「バイオトイレ」とは、バイオ(微生物)の力で排泄物を分解する仕組みのトイレです。
他の汲み取りタイプのトイレと比較して排泄物の処理回数がかなり少ないタイプ、処理が必要ないタイプなどが存在します。
スポンサーリンクし尿の処理について
し尿汲み取りが必要な仮設トイレを設置する場合、タンク(便槽)に排泄物が溜まっていきます。
そのまま何もせずにいると、排泄物が溢れてしまうため、定期的な処理が必要です。
し尿汲み取りをおこなうのは各市町村指定の業者です。
どこに依頼すれば良いかは各自治体に確認しましょう。
簡易トイレのし尿処理をおこなう頻度については、トイレを使用する人の数や使用する頻度などの条件によって違ってきます。
便槽のサイズや水量などを加味し、便槽がいっぱいになりそうだというタイミングで業者に依頼すると良いでしょう。
し尿汲み取り代は勘定科目のどれに当たるか
仮設トイレのし尿処理代は、勘定科目の「雑費」もしくは「福利厚生費」もしくは「衛生管理費」で処理している企業様・事業主様が多い傾向にあります。
「雑費」と「福利厚生費」もしくは「衛生管理費」のどちらで処理するのがベストかは、金額の大きさによって変わってきます。
仮設トイレのし尿処理費が大きければ「福利厚生費」で、仮設トイレのし尿処理費が少なければ「雑費」で処理すると良いでしょう。
比較的小規模な事務所、個人事業主様の場合は「雑費」で計上して構いません。
大規模な汲み取り費が発生する企業様などに関しては、仮設トイレのし尿汲み取り費を「福利厚生費」や「衛生管理費」で計上しましょう。
なぜ金額によって勘定科目が違うのか
先の項目で、仮設トイレのし尿汲み取り費の勘定科目についてご紹介しましたが、「雑費」で処理できるなら金額が大きくても小さくても「雑費」で処理して良いのでは、と思う方もいらっしゃるでしょう。
飲食店などの店舗経営をしていたり、人がよく出入りする事業者は毎月一定の予算を組んで清掃費として充当する必要があります。
その際に仮設トイレのし尿汲み取り費を「雑費」で処理していると、会計が不透明なものになるので、「福利厚生費」もしくは「衛生管理費」と計上するのが良いでしょう。
小規模な事務所・個人事業主様の場合は大きな金額も動かないため、勘定科目は「雑費」で問題ないのです。
仮設トイレの汲み取り費について「福利厚生費」もしくは「衛生管理費」、「雑費」以外の科目で処理する企業様・事業者様ももちろんいます。
具体的にどのような科目で計上しているかというと、「衛生費」「水道光熱費」「下水道費」などです。
簡易トイレの勘定科目をどの科目で計上するかは企業様や事業主様によって異なるため、「絶対にこれ」という決まりはありません。
ただ、「雑費」や「福利厚生費」「衛生管理費」の科目で計上している企業様や事業者様が多いので、どの勘定科目で処理するか迷っているという方は簡易トイレの処理費の金額によって上記の科目で計上するのが良いでしょう。
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