電話応対中の「承ります」は適切な言い方なのか?
ビジネスシーンでは、お客様や社外関係者に電話応対する場面が多くあります。
社外の相手と電話をする際は敬語を使うのがマナーですが、自分が正しい敬語を使えているか、自信がない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「承ります」「申し訳ございません」「左様でございますか」など、適切な敬語とそのよくある間違い例を知り、正解と間違いの理由まで理解することで、敬語のマナーを定着させることができます。
電話応対における「承ります」の使用
「承ります」は「聞く」や「受ける」という意味を表す敬語で、「ご用件を承ります」などの文脈でよく使われます。
この「承ります」という敬語に関して、電話応対中によく起こる間違いが「お承ります」という表現です。
敬語の「お」は、「お聞きする」というように動詞の前につけることでその動詞を名詞化し、へり下った表現にする敬語です。
しかし、「お承ります」という場合、動詞の「承る」がすでに敬語であるため、二重敬語となり、不適切です。
シンプルに「承ります」「承りました」と言うようにしましょう。
スポンサーリンク電話応対における「申し訳ございません」の使用
「申し訳ございません」は「申し訳ない」というフレーズの丁寧形で謝罪の気持ちを表し、日常的によく使われる敬語です。
同じような意味に「すみません」という言葉があるため、電話応対の際もつい「すみません」や「すみませんでした」と言ってしまいそうになるかもしれません。
しかし、「すみません」には謝罪の他に感謝を表す意味もあり、加えて謝罪の意味合いで使う場合も、その程度は「申し訳ございません」よりもフランクな意味になります。
したがって、謝罪の気持ちをしっかりと伝えるためには「申し訳ございません」というフレーズの方が丁寧で、敬語の使い方として適切です。
電話応対における「左様でございますか」の使用
「左様でございますか」は、相手の話を聞く際の相槌として使われるフレーズです。
電話応対はお互いの表情や身振りが見えないため、相槌を打つことで「あなたの話を理解しています」という意思表示をすることが非常に重要です。
しかし、実際の電話中につい、「そうですか」などの相槌を打ってしまう方は多いのではないでしょうか。
「そうですか」は確かに相槌言葉で、使われる文脈は「左様でございますか」と同じですが、そのニュアンスはとてもフランクな言葉なので、敬語としては適切ではありません。
電話応対の相手によっては不快感を抱かせてしまう恐れもあるため、「左様でございますか」と丁寧な相槌を心がけましょう。
スポンサーリンク