取引先各位と取引先様各位、どっちが正しい？

ビジネス文書などを作成する際、敬称ひとつとってもいろいろマナーがあって難しいですよね。

失礼にあたらないか、常識知らずだと思われないかなど心配になることばかりです。

取引先とのより良好な関係作りのためにも、今回は取引先に宛てた文書の作成についてご紹介します。

ビジネス文書のなかには、大勢の相手に向けた文書を作成することも多々あります。

その時に1人1人、1社1社の名前を羅列して敬称をつけていたら、文書に収拾がつかず大変ですよね。

文頭でよく見かける「○○各位」などと使われる各位とは、大勢の相手に向けて敬意を払う言葉であり、皆様という意味で使います。

もちろん皆様という意味なので、個人や数人を相手には使いません。

多くの取引先へ宛てた文書作成の際に、敬意を払った言い方として「取引先各位」という使い方になります。

また宛名書きには使えないので、文書を郵送する際の宛名に間違って「○○各位」と記入しないよう気をつけましょう。

宛名は「様」または「御中」と書きます。

あくまで各位とは文書の頭にくる言葉であることを頭に入れておきましょう。

結論から言うと取引先各位が正解です。

先ほども述べたとおり、各位とは「皆様」という意味をもっています。

つまり、「取引先様各位」としてしまうと「取引先様皆様」という二重の敬称表現になってしまいます。

敬称を重ねて使うのは正しくない使い方になりますので、様を入れた方が丁寧かな？と感じて不安になっても、「取引先各位」と使用しましょう。

取引先様各位という表現は誤りであるというお話をしましたが、日本語の変化に伴い取引先様各位と似たような言葉で容認されてきた言葉があります。

それが「お客様各位」です。

顧客各位という使い方に変えることはできますが、親近感をもって使ってもらいたいお店などでは「お客様各位」という使い方をするところもあるようです。

しかし取引先様各位は容認されていないので、取引先各位を使用するようにしましょう。

丁寧な表現をする際に「御」という表記があります。

取引先様各位が使えないからこそ、より丁寧な言い方をするのであれば「御取引先各位」と記載することが好まれます。

取引先各位でも敬った表現にはなりますが、丁寧な表現として御取引先と表現することができます。

今回は取引先にあてた各位の使い方に注目しましたが、そもそも文書の表現で正しくないなど、丁寧に言ったつもりが間違った表現になってしまうことは多々あります。

細かいようではありますが、今後のためにもビジネス文書の作成マナーは身につけておきたいものですね。