牛乳の凝固点と沸点は水と異なるのか?その理由を学ぼう

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「平地において、水は0度になると凝固し、100度になると沸騰する」ということはよく知られています。

 

とはいえ、このルールが常に成立するわけではありません。

 

例えば、高地でお湯を沸かそうとすると、100度未満で沸騰状態になります。

 

では、純水ではなく水溶液、つまりジュースや牛乳のように他の物質が含まれる液体の場合はどうなのでしょうか。

 

ここでは、牛乳の凝固点および沸点に関して考察していきましょう。

牛乳も凝固点降下が発生する

水溶液とは、純水に揮発しない成分、つまり「溶質」が溶け込んだ液体です。

 

水分とは異なる成分が含まれていることで、水の分子同士が結合しにくい状態が生まれます。

 

そのため、水溶液を凝固させるためには温度を0度よりも低くする必要があるわけです。

 

この現象は「凝固点降下」と呼ばれます。

 

普通に生活している中で、凝固点という言葉そのものを耳にすることはあまりありません。

 

しかし、身の回りをよく観察してみると、意外なところで塩分や糖分の働きによって生じる凝固点降下を目にしているのです。

 

一例として、清涼飲料水をボトルに入れたまま冷却するというケースを考えます。

 

この場合、液体に含まれる糖分の影響により凝固点降下が発生し、マイナス1.0度前後が凝固点となります。

 

さらに冷却して全体が冷凍になった状態から徐々に解凍をしていくと、再びマイナス1.0度になった時点で糖分を多く含む水分は融解し始める一方で、糖分をほとんど含まない水分は0度に到達するまで凝固したままです。

 

そのため、その液体を飲むと非常に甘みの強い、凝縮されたような口当たりになるのです。

 

牛乳に関して言えば、一般的にはたんぱく質や塩類、炭水化物などが含まれています。

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その他に、カルシウムやナトリウム、ビタミンB群やビタミンCなども配合されており、非常に栄養素の高い溶液であると言えるでしょう。

 

このように水以外の様々な成分が含まれていますから、当然のこととして凝固点降下も発生します。

 

市販されている牛乳の場合、凝固点はマイナス0.5度からマイナス0.6度前後とされています。

高温における凝固作用の原理とは

牛乳に関しては、冷却した時だけでなく、加熱した時にも凝固作用が見られます。

 

熱々の牛乳をカップに注いだ時、表面に薄い膜ができるのを見たことがある人も多いでしょう。

 

ただし、この現象は水分子の結びつきによるものではありません。

 

むしろ、牛乳の中に含まれている「カゼイン」と呼ばれるたんぱく質が熱によって刺激を受け、水分の蒸発に合わせて凝固することによって引き起こされます。

 

これは「ラムスデン現象」と呼ばれるものです。

 

豆乳から湯葉を作る作業もこの現象がカギとなっています。

 

ただし、牛乳の成分凝固は成分の腐敗や雑菌の繁殖によっても発生することがあるので注意が必要です。

 

ホットミルクにするため意図的に加熱したわけではないのに、カッテージチーズのような塊が表面に浮いているのが見られたり、何らかの不自然な凝固が複数観察されたりする場合には、すぐに破棄することをおすすめします。

牛乳の沸点も純水とは異なることを知っておこう

凝固点と同じく、沸点も純水と水溶液で違いがあります。

 

先述の通り、純水であれば100度で沸騰する一方、水溶液の場合は、溶質が水分の蒸発を妨げるため、沸点が100度よりも高くなるのです。

 

この現象を「沸点上昇」と呼びます。

 

牛乳の場合、1気圧という条件下であれば、脂質などを始めとした成分の働きにより、沸点は0.5度ほど高くなります。

 

ただし、どれほど沸点が上昇するのかに関しては、水溶液中に溶解している溶質の種類と量によって変化します。

 

ですから、成分を濃縮した牛乳の場合は、沸点がより高くなるということを覚えておきましょう。

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