牛乳の沸点とホットミルクを美味しく飲める温度のお話し

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水をやかんに入れて火にかけるとやがて沸騰します。

 

沸騰する温度(沸点)が100℃というのは常識です。

 

水だけでなく、他の液体も同様で必ず沸点があります。

 

物質によってそれぞれ沸騰する温度は異なっています。

 

ところで普段飲んでいる牛乳ですが、成分表示を見てみると130℃で2秒間殺菌といった表示があります。

 

というわけで牛乳の沸点についてのお話をします。

牛乳を温めるとどうなるの?

牛乳を温めると表面に膜ができます。

 

これは牛乳に含まれるタンパク質が熱とともに凝固したためです。

 

似ているのが豆乳で、温めていくと表面に膜ができ、これをすくったものが湯葉になります。

 

牛乳や豆乳を温めたときに膜ができる現象をラムスデン現象と呼びます。

 

この減少はタンパク質を多く含む液体を熱したときに起こる現象で、熱する時間が長くなればなるほど膜は厚くなっていきます。

沸点は何度?

本題の牛乳の沸点に話題を戻しましょう。

 

ミルクパンにミルクを入れて熱していくと、温度が上昇して沸騰しますが、ネット上の情報を見てみると、牛乳の沸点は水よりも低いとか、水よりも沸騰する温度が高いとかいった情報が見られます。

 

事実はどうなのかというと、牛乳が沸騰する沸点の温度は100.55℃です。

 

水よりも若干高いというのが答えです。

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今は昔よりも沸点が高い

ただこの数値が明らかになったのは今から45年以上も前の1975年のこと。

 

当時一般的に流通していたミルクの濃さは今よりも薄かったと言われています。

 

現在スーパーで購入できるミルクの乳脂肪分は3.5%〜3.6%です。

 

乳脂肪分が増えると、その分だけ沸騰までにかかる時間は長くなります。

 

可能性の段階ですが、沸点の温度は100.55℃よりも高くなっているのではと考えられています。

 

ただし、高くてもわずか0.01℃程度です。

市販の牛乳は殺菌されている

ところで、牛から絞ったばかりの牛乳には細菌が含まれていることがあります。

 

搾りたての牛乳はさぞ美味しいだろうと思っている人も多いかもしれませんが、実際にミルクを飲めるようにするためには、殺菌しなければいけません。

 

先程沸点は105.55℃という話をしました。

 

細菌を殺菌するためには、温める温度を上げないといけません。

 

そこで現在取られているのは、牛乳を沸騰させて殺菌する方法です。

 

温度が高くなれば細菌は生きていくことができません。

 

そのため一般的には沸点を超える120℃〜130℃程度の温度まで熱して殺菌を行っています。

 

私たちが安心してミルクが飲めるのはこのような努力が払われているからです。

 

高温で沸騰させることで細菌の除去ができる反面、ミルク本来のコクが失われてしまう可能性があります。

 

熱する温度をあげていくと膜ができるという話をしましたが、タンパク質が凝固してしまうので、その分のコクがなくなってしまうのです。

 

でも、中にはコクのある美味しい牛乳もあります。

 

牛乳のコクを出すためには、乳成分をできるだけ変えないことが大切です。

 

そのため、美味しいと言われているミルクは沸点よりも低い70℃前後の温度で長時間温めて殺菌する方法を取っています。

 

牧場で飲んだあの味が忘れられないという人には、沸点以下の低温で温めて殺菌したものを飲んでみることをおすすめしたいです。

 

ただし70℃前後で温めたとしてもあの膜はできてしまいます。

 

タンパク質の膜ができるのは40℃くらいです。

 

すでに煮沸消毒されている牛乳をさらに温めてしまうと、コクがなくなってしまうというのは容易に想像できます。

 

ですので、もし美味しいミルクを飲みたいと思ったら、買ってきたままのものを飲むか、温める場合は、沸点まで温めずに、低温で温めるようにすると美味しく飲むことができます。

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