融点の反対語は沸点?凝固点?それぞれの意味を解説します

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物質には一般的に「気体」「固体」および「液体」という3つの状態が存在するとされており、それらを総合した表現として「物質の三態」という呼称があります。

 

一方、状態が変化するタイミングに関しても幾つかの表現があります。

 

その1つが「融点」です。

 

では、融点とはそもそも何を指すのでしょうか。

 

また、融点という言葉の反対語は何か、また反対語として間違えやすい表現についてもチェックしてみましょう。

融点とは物質の融解するタイミングを指す

融点とは、英語の「Melting Point」を訳した化学表現で、物質が固体から融解して液体になる時点で、物質の温度が何度なのかを意味しています。

 

化学において融点の記載をする際には、摂氏(度)ではなくケルビン(K)という温度単位が用いられることがほとんどです。

 

融点は対象となる物質そのものによって決まる数値であり、物質の質量や体積などの要因によって変動することはまずありません。

 

ですから、物質の温度が変化して理論上の融点に達したものの融解が始まらないというケースでは、高い割合で何らかの不純物が混入しているということが推測できるわけです。

 

最近では、どれほど融点が変化したかを細かく検査することにより、不純物の種類や量をチェックすることも可能となってきています。

 

水の場合、固体である氷から融解して液体になる温度は摂氏0度、273ケルビンです。

 

この温度に関しては「氷点」と呼ばれることも少なくありません。

 

一般的に、金属を始めとする物質は、固体から融解して液体になると密度が減少するため、固体は沈殿し、液体は上部に溜まるという特性があります。

 

一方、水に関しては、氷から融解によって液体に変化すると分子構造が変化して密度が増大するというユニークな特徴を持っているのです。

 

この特徴ゆえに、氷は水に浮くことが可能となります。

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融点の反対語は凝固点

融点の反対語は「凝固点」です。

 

凝固点とは、英語の「Freezing Point」を訳した化学表現であり、液体となっている物質が凝固して固体へと変化する時点での温度を指して用いられています。

 

融点と凝固点は視点が異なる反対語というわけです。

 

同一の物質に関して測定する場合、融点と凝固点は基本的に一致するはずです。

 

ただし、例外として、物質に対してそれまでに加えられた圧力などの外的要因により、物質の凝固点降下が発生し、融点と凝固点が一致しないことがあります。

 

この要因となることを「ヒステリシス」もしくは「履歴現象」と呼びます。

 

どれほどの凝固点降下が発生したかによって、物質にどのような変化が加えられたのかを推測することが可能です。

沸点は融点の反対語ではない

融点の反対語として「沸点」を思い浮かべる人は少なくありません。

 

しかし、沸点は、英語の「Boiling Point」を訳したもので、物質が液体から気体へと変化する時点での温度を指す化学表現であるため、反対語ではないのです。

 

沸点に達して物質が気体へと変化することを「沸騰」と呼び、その反対語を「凝縮」と呼びます。

 

ほとんどの物質は固体から融解して液体へ、そして沸騰して気体へと状態変化をします。

 

とはいえ、例外的に固体から直接気体へと状態変化をするものもあるのです。

 

この過程は「昇華」という化学表現が用いられています。

 

昇華が起きる身近な物質としては、ケーキを購入した時に冷却剤として付いてくる「ドライアイス」や、衣類などの防虫剤として使用される「ナフタレン」などが挙げられるでしょう。

 

このように、物質の状態変化にはさまざまなタイプがあります。

 

ですから、融点と沸点に関しては反対語ではなく、完全に分けて考えるのがふさわしいことが分かるでしょう。

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