茶室では床の間の向きや構成にルールがあることを覚えておこう

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茶室の造りや間取りに関してはすべて作法があります。

 

四畳半未満の茶室は「小間」、それ以上大きいものは「広間」と呼ばれており、畳1枚1枚にも名前と役割が付されています。

 

では、茶室の一端を構成する床の間に関してはどんなルールがあるのでしょうか。

 

配置する向きやその理由、また茶室の雰囲気を壊さないために注意すべきポイントや作法などをチェックしてみましょう。

床の間は東もしくは南向きが望ましい

床の間には一般的な「本床」の他に、段差のない「踏込床」や小さな壁がせり出すようになっている「壁床」、天井の周りに化粧板が取り付けられている「織部床」など主に4つのデザインが存在しています。

 

ただし、その向きに関しては東向きもしくは南向きというのがルールです。

 

その背景として、茶室をはじめとして床の間がある部屋は来客を迎えもてなす場所であるため、太陽の光が入りやすい向きにするべきという考え方があります。

 

また、室内に日光がよく降り注ぐ向きを選ぶことは、家相において家内安全や子孫繁栄の運気向上へつながるとされています。

 

ですから、床の間は東もしくは南向きに配置するというのが常識となっているのです。

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床の間へ置くアイテムにもルールが存在する

茶室に採用される床の間のデザインはほぼすべてのケースにおいて、床が畳から一段高くなっている本床です。

 

本床を構成するのは床柱、落掛、床框(とこがまち)および床畳の4つで、これは小間でも広間でも同様です。

 

本床へ植物を飾る際には多くの場合、陶器の花入れを使用します。

 

この際、一輪挿しのような花入れの下には必ず敷板を置くのがマナーです。

 

ただし、籠花入れを配する場合には必要ありません。

 

また、茶室の床の間が本床ではなく踏込床の場合、床框はたいてい板張りになっているので、敷板を準備する必要はないという点も銘記しておきましょう。

 

茶の湯においては自然さが重要視されており、茶室に置くアイテムに関してもこの考え方が徹底されています。

 

ですから、本床に飾る花や植物に関しても、見た目の印象が華美になりすぎないよう注意して、可能な限りシンプルなものを選ぶことが必要です。

 

また、花入れは常に台所へ近い位置に置くというルールがあります。

 

ただし、掛け軸が縦ではなく横の場合には、床の間の中央に配するのがマナーです。

 

小物に関するこうした作法をきちんと守ることにより、茶室全体の印象をいつも上品で美しいものに保つことができるでしょう。

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