ろうやワックスは純物質?それとも混合物?

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停電時には灯として使用することができる他、近年ではキャンドルと呼ばれて香りを楽しみながら癒し系アイテムとしても人気が高い「ろう」やワックスは、どのような素材によって作られている物質なのでしょうか?

 

1つだけの物質で作られている純物質なのか、それとも複数の素材が配合されている混合物なのでしょうか。

ろうの特徴

ろうやワックスは、呼び方は様々ですが、基本的な組成や性質については大きな違いはありません。

 

これはワックスエステルとよばれる融点が高めの油脂を固めたもので、一般的には室温では固体となっていますが、沸点が低く、気体はよく燃焼するという特徴があります。

 

ろうという物質は、人類の長い歴史と共に歩んできました。

 

その中では、動物の油脂が使われたり、植物の油脂を抽出されたものが使われたりするなど、純物質を素材として使っていたことがあったかもしれません。

 

しかし近年、私たちが普段使うろうやワックスなどは、化学的に成分が合成されている混合物が一般的です。

純物質vs混合物

ろうやワックスが純物質から組成されているものなのか、それとも異なる素材の混合物なのかについては、ろうの種類によって多種多様です。

 

純物質というのは、1つの物質だけで作られているものということなので、1種類の植物から抽出した油脂だけを使ったろうは、純物質タイプと言えるでしょう。

 

しかし、複数の植物から抽出した油脂を混ぜてワックスを作ったら、それは複数の物質が混ざっているということなので、そのワックスは混合物となります。

 

動物の油脂や植物の油脂を使った純物質タイプのろうは、日本国内にも複数の種類がありますし、世界各国にもたくさんの種類があります。

 

例えば、ジャパンワックスと呼ばれているハゼ蝋やウルシ蝋などは、高品質の油脂を使っていることで、明治時代や大正時代には日本から多く輸出されていた高級ワックスでした。

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海外産のものでは、コロンビアならアブラヤシから抽出されるパーム蝋が人気ですし、ブラジルのカルナウバ蝋なども広く知られています。

 

ちなみに、純物質のものは凝固点が比較的低いものが多いという共通点があります。

私たちが良く使うものは混合物が主流

現在でも、ろうやワックスは、私たちの生活の中のいろいろなシチュエーションで活躍しています。

 

例えば、車のワックスがけに使うカーワックスは、アルコールやレジン、脂肪酸やエステルなどを原料とする混合物で、モンタンワックスという種類が使われています。

 

また、原油を精製して作られるパラフィンワックスは、精油系ワックスの一種です。

 

これも純物質ではなくて混合物ですが、20世紀に入ってからは動物や植物性のものに代わって広く使われるようになった種類のろうです。

 

私たちが普段よく見かけるろうそくやキャンドルには、和ろうそくと洋キャンドルがあります。

 

洋キャンドルは石油パラフィンなどを使って化学的に作られた素材が使われる混合物が一般的なのに対し、和ろうそくの場合には、現在でもハゼノキからろうを抽出して作るなど、純物質タイプのものもあります。

 

洋キャンドルは製造過程で化学的に香りもつけやすいため、アロマキャンドルとして使ったことがある人は多いのではないでしょうか。

 

一方、和ろうそくはオーガニック素材を使っているという点で、価格面が高額になりやすいという特徴があります。

 

また、香りも自然な香りを楽しめるものが多いため、混合物組成のアロマキャンドルのように多種多様な香りがラインナップされているというわけではありません。

 

人類の歴史と共にいろいろな使われ方をされてきたろうやワックスは、現在の私たちの生活の中でも、多種多様な用途に使われています。

 

これからも、いろいろな姿に形を変えながら、私たちの生活を豊かにしてくれるアイテムになってくれることが期待されています。

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