はんだは単体や化合物の純物質?それとも混合物?

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「はんだ付け」などでよく知られているはんだは、学校によっては技術の授業などで取り扱う金属の一つです。

 

はんだ付けのやり方などを知っている人は多くても、金属としてのこの物質が、化合物なのかそれとも混合物なのかといった化学的な側面からの性質について詳しく知っている人は、それほど多くはありません。

はんだはどんな金属?

はんだは、鉛と錫という2種類の金属をコラボさせて作った合金です。

 

鉛は、元素番号は82番でPbと表記される元素で、錫は元素番号50番でSnと表記される元素です。

 

どちらも単体の純物質で、他の金属と化学反応を起こして結合しているわけではないため、化合物というわけではありません。

 

そして、この鉛と錫が混ぜ合わされて合金となったものが、はんだという金属です。

 

合金は、複数の金属を混ぜて作るものですが、化学反応を起こして化合物を作るというわけではなく、混合させているだけの混合物です。

 

そのため、はんだという金属は、化合物ではなくて混合物だということになります。

化合物と混合物の違いとは?

化合物と混合物の違いがよく分からないという人は少なくありません。

 

例えば、化学式H2Oと表記される水は、水素元素と酸素元素が結合して作られています。

 

水素元素のHと酸素元素Oが化学反応によって結合し、別の物質H2Oに変化したわけです。

 

このように化学反応を起こして別の物質へと変わった状態を、化合物と呼びます。

 

ちなみに、この化合物は純物質に分類することができます。

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一方、混合物というのは、砂糖水とか食塩水のように、異なる二つの物質が性質を変えずに混ざり合っている状態を指します。

 

例えば、食塩水というのは、食塩と水が混ざり合っている状態のもので、食塩と水が化学反応を起こして別の物質になったわけではなく、ただ食塩が水に溶けて形状を変えているだけで、食塩が持つ性質と水が持つ性質は変わっていません。

 

これが、混合物です。

 

化合物なのか混合物なのかを見極める際には、異なる二つの物質が化学反応を起こしているかどうかという点に注目すると分かりやすいでしょう。

 

水素Hと酸素Oが結合して作られる水は、H2Oという化学式で表記できます。

 

一方で食塩水は、食塩NaClと水H2Oが混ざっているだけなので、一つの化学式で表すことはできません。

 

この違いによって、化合物か混合物かを区別するという方法もあります。

はんだの性質

はんだは、鉛と錫の合金です。

 

どちらも金属で、温度が高くなって融点に達すると溶けて液状となりますが、鉛の融点は327度、錫の融点は232度という性質があります。

 

しかし、混ぜ合わせて合金にすると、融点が低くなって200度以下の温度でも液状となります。

 

このメカニズムを上手に利用したのが、はんだづけです。

 

他の金属と比べて、比較的低温でも融点に達するという性質を生かし、現在では電子回路において電子部品を基板に固定する際に使われたりもしています。

 

私達の日常生活の中では、あまり自身で金属を溶かして接着するという機会はそれほど多くありません。

 

しかし、身の回りにはたくさんの家電製品やIT機器では多くの電子回路が使われていて、それらの細部では、はんだが大活躍してくれているわけです。

 

そう考えると、この合金は私達の生活をより豊かにするためのサポートをしてくれている物質なのだということが言えるのではないでしょうか。

 

ちなみにこの金属は、鉛と錫の配合率を変えることによって、融点が異なります。

 

そのため、金属用の合金として混合されているアルミニウム用や一般金属用のものもあれば、電気回路用として混合されている電気配線用やプリント基板用などもあり、多種多様な種類が作られています。

 

そしてどれも、合金なので混合物と言うことになります。

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