ガソリンは単体、それとも化合物?混合物なの?

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自動車やバイクなどの走行に必要不可欠な液体燃料としてよく知られているガソリンは、化学的な観点から分類すると、単体か化合物か、どちらなのでしょうか。

 

また、単体や化合物の1種類だけで組成されている純物質なのか、それとも複数の物質を混ぜ合わせて作られている混合物なのでしょうか?

主成分は炭素と水素

普段、ガソリンを使用する消費者という立場なら、物質が単体なのか化合物なのか、また混合物なのかという点はあまり気にする必要はないでしょう。

 

しかし、危険物取扱関連の資格を取得するために勉強している人は、このガソリンが単体なのか化合物なのか、混合物なのかという細かい点をしっかり押さえておく必要があります。

 

単体、化合物、混合物といった性質を理解することによって、危険性を認識できますし、取り扱いの点で何を注意すればよいのかが分かるからです。

 

ガソリンは、炭素と水素を主成分としている物質です。

 

複数の分子が化学反応によって結びついているので、単体ではなく化合物ということは、比較的分かりやすいでしょう。

 

もしも、炭素だけでできているとか、水素だけでできているのなら、化合物ではなくて単体ということになりますが、炭素と水素が化学反応によって炭化水素を作り出しているため、単体ではなくて化合物に分類できます。

 

しかも、ガソリンは炭化水素だけで作られているわけではなく、他にも成分が混ざっている混合物です。

 

多く含まれている物質には、窒化物や硫黄などがあります。

 

ただし、こうした混合物が多く含まれていると液体燃料としての作用に支障が出てしまうリスクがあるためでしょうか、製品化されるプロセスの中で、こうした混合物の大部分は除去されています。

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取り扱いがとても難しい物質

ガソリンは、常温においては無色透明の液体混合物ですが、高い揮発性があり、独特のニオイがあるという特徴を持っています。

 

引火点はマイナス40度ととても低く、火をそばに近づけただけでも引火して燃焼してしまいます。

 

そのため、一般家庭でこの物質を管理することはとても難しいのです。

 

環境や状況によっては、静電気程度の火でも爆発を引き起こしてしまうことがあるため、取り扱いには細心の注意が必要となります。

 

ガソリンは、石油を原料として作られている混合物です。

 

石油がそのままガソリンになるわけではなく、石油を原料として、高度な技術を使って専門の石油化学工場において製造されているのがガソリンなのです。

 

そのため、中東のような石油産出国の多くは石油を外国へ輸出し、製造されたガソリンという商品を海外から輸入しています。

私たちの身の回りのあらゆるところで利用されている

この物質は強烈な独特のニオイを発するという特徴がありますが、車やバイクの液体燃料として利用されているだけでなく、私たちの身近なところで活躍している物質でもあります。

 

例えば、衣類に付着している脂溶性の汚れを取る際には、沸点が低めの溶剤が使われます。

 

これはベンジンと呼ばれている溶剤で、ガソリンをさらに別の製品へと加工したものとなります。

 

もちろん、加工製造の際には異なる化合物や単体を混ぜているので、加工物は混合物と分類できます。

 

近年では、テクノロジーを生かして、石油を原料としない合成ガソリンが製造されるようになりました。

 

もちろんこれは単体や化合物を使った混合物で、原料にはメタノールや天然ガス、石炭などが使われています。

 

遅かれ早かれ、将来的には枯渇すると言われている石油だけを原料とするのではなく、別の原料を使って同じ作用を持つ合成ガソリンを作ることは、将来の私たちの生活を大きくサポートしてくれるのではないでしょうか。

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