土砂は純物質?それとも混合物なのか?
土砂崩れなどのニュースで意味にすることが多い「土砂」は、私達が持っているイメージとしては「土」ではないでしょうか。
この物質は、純物質とみることができるのか、それとも複数の物質が混ざり合っている混合物に分類するのが適切なのでしょうか?
土砂はいろいろな物質が混ざり合っている混合物
土砂には、土や砂など、様々な物質が含まれています。
具体的には、化学式SiO2で表記される二酸化ケイ素を始め、Al2O3で表記される酸化アルミニウム、また、Fe2O3の酸化鉄などが多く含まれていると言われています。
それぞれの物質は、複数の元素から構成されている化合物ですが、複数の元素が化学反応を起こした結果として作り出されている物質なので、これら一つ一つの物質は、混合物ではなくて純物質と考えることができます。
しかし、これらの純物質が複数混ざり合って作られている土や砂などは、混ざり合うことによって化学反応を起こしているわけでもなければ、分子が結合して異なる物質を作り出しているというわけでもありません。
純物質同士が、それぞれの性質を変えることなく、ただ混ざりあっているというだけです。
そのため、土や砂は、全般的に混合物とみなすことができます。
また、土砂の中には、水も含まれています。
水は化学式ではH2Oと表記することができる化合物ですが、水そのものはたくさんの物質が混ざり合っているというわけではないため、純物質です。
しかし、この純物質の水が土や砂を組成している他の物質と混ざり合うことによって、土砂という混合物を作り出す組成物の一つとなっています。
スポンサーリンク土砂にはいろいろな種類や用途がある
土や砂は、環境によって多種多様な分類や用途があります。
例えば、園芸やガーデニングをする人にとっては、土や砂は植物を育てるためには必要不可欠な要素の一つです。
何を育てるかによって、土や砂にどんな栄養成分が多く含まれているのが好ましいかという点が異なるため、混合物である土や砂を組成する純物質の種類も、園芸やガーデニングの種類によって異なります。
ホームセンターなどで販売されている「XX用の土」「XX用培養土」などは、どれも複数の純物質をコラボさせている混合物です。
一方、工事現場や採掘現場などによって掘り出される土砂は、ガーデニングと同じような大切な使われ方はしていません。
どんなタイプの土や砂でもすべて純物質ではなくて混合物という点ではガーデニングの時に使う土や砂と同じですが、採掘現場で出される土砂は、場合によっては産業廃棄物という取扱いとなります。
特に、水を多く含んでいるドロドロのものは汚泥と呼ばれていて、トラックで山積みにできずに処理しづらいという点で、産業廃棄物として取り扱われることが多くなります。
純物質の土砂を作ることはできるのか?
土砂には、たくさんの物質が含まれています。
それぞれの物質は純物質ですが、それらがバラエティ豊かな配合率で組成することによって、異なるタイプや種類の土や砂を作り出しています。
つまり、土や砂という物質は、複数の純物質が混ざり合うことによって作り出されている混合物と言うことになります。
そのため、純物質の土砂というものは、存在しないと考えることができるのではないでしょうか。
例えば、土に含まれている酸化アルミニウムの割合を限りなく高くして他の物質を除去していくと、最終的には酸化アルミニウムだけが残り、それは土ではなくて酸化アルミニウムとなってしまいます。
つまり、混合物を組成している純物質だけでは、土や砂を作り出すことはできないということが言えます。
いろいろな純物質がコラボすることによって、多種多様な土や砂が作り出されているのです。
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