シュワッと泡立つ炭酸水は純物質?それとも混合物?

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炭酸水というと、シュワッと泡立つ様子が特徴の水溶液だと認識している人は多いものです。

 

これは、純物質に分類される物質なのでしょうか、それとも水と何かが混合して作られている混合物に分類されるのでしょうか。

炭酸+水=炭酸水、だから混合物

炭酸水というと、水と炭酸を混合させた物質と言うことは簡単に想像することができます。

 

炭酸というのは二酸化炭素のことで、炭酸水という物質は、二酸化炭素を水に飽和するまで溶かして作り出した物質と定義されます。

 

二酸化炭素はもともと気体ですが、水に溶かしても二酸化炭素の性質が変わるわけではなく、ただ形状が変わったというだけなので、これは純物質に分類される化合物とはなりません。

 

混合物に分類されることになります。

 

炭酸水の要素の一つである炭酸は、正式には炭酸ナトリウムと呼ばれていて、化学式ではH2CO3と表記できます。

 

複数の元素から構成されている物質なので、純物質の中でも単体というわけではなく、化合物という分類をする事ができます。

 

化合物と混合物は、区別しにくいことがあるので注意が必要ですが、炭酸水は、炭酸という化合物タイプの純物質と、水という化合物タイプの純物質が混ざって作られている混合物です。

 

化合物と混合物は、どのように区別したら良いのでしょうか?

 

まず、化合物というのは、異なる複数の元素から構成されている物質と定義づけることができます。

 

例えば、化学式O3と表記されているオゾンは、酸素元素Oだけで構成されているため、単体と分類されます。

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一方、化学式H2Oと表記できる水は、水素Hと酸素Oという複数の元素が化学反応によって結合して作られているものなので、化合物と判断できます。

 

ちなみに、単体も化合物も、どちらも純物質に分類されます。

 

そして、複数の純物質が混ざっているものを、混合物と呼びます。

 

純物質同士が混ざると言っても、化学反応を起こして別の物質を作り出しているというわけではなく、化学反応を起こさずにただコラボしているだけの状態を、混合物と呼ぶ点は注意しなければいけません。

 

例えば炭酸水のように、炭酸という純物質と、水という純物質がただ混ざりあっているだけなので、炭酸水は純物質ではなくて混合物と判断できるのです。

炭酸水の性質

炭酸ナトリウムと水に溶かして作る混合物の炭酸水は、水に溶かすと塩基性を示し、味が苦いという特徴があります。

 

私達が普段慣れ親しんでいる炭酸水と言えば、炭酸飲料などがありますが、あの飲料水は他にも複数の物質が混合されている混合物なので、苦みを感じないように味の調整が行われています。

 

炭酸水から水を取り除いた炭酸ナトリウムという成分は、私たちの周囲にはベーキングパウダーとして存在しています。

 

ベーキングパウダーは炭酸ナトリウムを主成分としていますが、他にもいくつかの物質がコラボしているので混合物に分類できますが、主成分である炭酸ナトリウムの苦みは、ベーキングパウダーにも反映されています。

 

炭酸水が飲料用として使われていて、ベーキングパウダーが調理用に使われていることからも分かるように、組成している炭酸ナトリウムには、毒性などは一切ありません。

炭酸水の用途はいろいろ

混合物であるこの物質は、飲食の際に使われるだけではなく、身の回りの生活でも役立つ用途があります。

 

この物質は強いアルカリ性を持っているため、粉末状にしたものを洗剤として使うと、油や皮脂、血液などの汚れをしっかり落とすことができます。

 

ただし、酸性による汚れに対しては強力な洗浄力を発揮してくれますが、機械の油や化粧品系の油、衣類のシミの漂白などには適してはいないので注意しましょう。

 

また、炭酸水を乾燥させた炭酸には、脱水作用があります。

 

古代エジプトの時代においては、ミイラづくりの際に脱水のために炭酸が使われていたという話も残っています。

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