残土処分は資産計上できるのか?

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■残土処分に関する基本的な考え方
何らかの建築工事で残土が発生してその処分費用が発生した場合、税制上の区分がどうなるのかというのは、土地の所有者や購入者にとって面倒な問題となります。

 

微妙な区分となりますので、どこに入れたらいいのか分からないからです。

 

ケースによって違いが出ますので、それぞれの事情に応じて考慮しなければなりませんが、基本的な考え方としては資産計上することができます。

 

というのも、残土処分費用は土地の改良のために用いられるコストであり、資産的価値の存続や維持に使われるものだからです。

 

この目的に沿ったコストであれば資産計上できる項目として含められることになります。

 

また、残土が発生した土地の上に何らかの建造物、たとえば倉庫を作る場合、残土処分費用は上物である倉庫の建築費用として認められる可能性が高いと言えます。

 

あくまでも出てきた残土は倉庫の建築のためですから、土地に関係する経費というよりも、上物の建築に付随して発生した費用として見られるからです。

 

このように目的によって、多少の考え方の違いがあり、資産計上についての判断に影響を与えることになります。

 

一つのポイントとしては、残土が発生する土地に建築物を新規に建てるかどうかということになります。

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ケースバイケースで資産計上に含めるかどうかが変わってくる

このように、基本的な考え方としては、残土処分は資産価値の維持という目的でなされる場合、資産計上することができます。

 

しかし、汚染土壌を入れ替える必要が生じた場合などは、違った解釈がなされるケースもあります。

 

重金属や放射能、化学薬品、重油などで汚染されてしまった土地を改良するために、一度汚染土壌を取り除き、他のきれいな土と入れ替えるという作業がなされることがあります。

 

災害発生後の土地などで実施されるケースが想定されます。

 

この場合も判断が難しいのですが、状況によってこれは修繕費と見なされることがあります。

 

あくまでも修繕の一工程として土地の入れ替えをして、その際に残土が発生したという考え方だからです。

 

こうなると税制上の区分が変わってきてしまいます。

 

このように、残土処分の資産計上を含む税制上の取り扱いは、かなりケースバイケースの傾向があります。

 

そのため、もし疑問に思うことがある場合、税理士に相談するか、直接税務署に確認を取るのがベストでしょう。

 

思い込みで判断してそのまま処理すると、後で面倒なことになりかねませんので、始めからきちんと確認した方が安心です。

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