返金処理時の漢字表記は預り金精算と預り金清算のどちらが正しい?

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返金処理を行うにあたって、預り金として計上する場合があるでしょう。

 

この時、預り金「せいさん」の「せいさん」の漢字表記がわからなくなることがあるようです。

 

精算と清算のいずれが正しいのか、漢字の意味が理解できれば混同することもなくなります。

そもそも返金処理における預り金とは?

預り金とは役員や従業員、取引先などが本来負担しなければならないお金を、会社や店舗が一時的に扱ったときに発生する勘定科目の一種です。

 

具体的には源泉所得税や住民税、社会保険料などが代表的です。

 

この場合、預り金については返金処理ではなく、第三者に納付する形をとります。

 

しかし預り金の性格によっては当人に返金処理をする場合もあります。

 

預り金の仕分けについてですが、貸借対照表における負債に該当する項目です。

 

負債の中でも具体的には流動負債に該当する項目です。

 

預り金はあくまで預かっている状態で、のちに返金処理をするなり、支払するなりの義務があるお金だからです。

 

ちなみに預り金は決算日の翌日から1年以内に返金処理など必要な処理をしなければなりません。

 

もし1年を超えて預かるのであれば、「長期預り金」となります。

 

この場合、固定負債として処理をします。

精算と清算の違い

預り金を返金処理する場合、精算と清算、どちらの漢字を使うべきかで迷う人もいるようです。

 

精算と清算は読みは一緒でも、それぞれの漢字の持つ意味が異なります。

 

まず精算については金額を細かく計算するという意味合いがあります。

 

例えば金額計算をしたところ、何かしらの過不足が発生した場合にその処理をする必要がありますが、これを精算といいます。

 

精算の「精」の漢字はほかにも「精細」とか「精密」といった単語で用いられる漢字です。

 

「細かい」や「詳しい」という意味合いがあります。

 

そこに計算の「算」の字が加わるわけで、細かな計算をするという意味になるわけです。

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一方、清算にはいくつかの意味合いがあります。

 

過去の関係にけじめをつけること、会社などの法人を解散する際に財産関係の整理をする、取引の取り分と出し分を相殺するという取引用語という3つの意味のいずれかです。

 

清算の「清」には「きれいにする」という意味合いがあります。

 

そこから物事や人間関係、過去の出来事を整理するという意味があります。

 

「過去を清算する」や「借金を清算する」というような感じで用いられる熟語です。

精算と清算はケースバイケース

預り金「せいさん」をする際に使われる漢字は、ケースバイケースといえます。

 

それは返金処理の方法がどうなっているかで、精算と清算のどちらの漢字が正しいかが変わってきます。

 

もしお金をただ単に預かってもらっている状態で、最終的には全額返金処理をする場合には「清算」の方が適しています。

 

一方で、たとえばいったん概算払いという形でお金を会社などに預けたとします。

 

そこから最終的に費用として支出した部分を差し引きしたうえで返金処理をする場合には、精算の方が意味的には正しいです。

 

返金処理をする際に費用の差し引きなどの計算作業が含まれているので、精算という言葉の方がふさわしいわけです。

 

返金処理をする際にはお金の内訳などを計算したうえで返還するケースが多いでしょう。

 

そう考えると精算の方がより正しい漢字になります。

 

もしどちらの漢字にすればいいか迷ったのであれば、精算という言葉で返金処理するのがおすすめです。

 

このように会計処理をする際には、普段使いなれない言葉を用いることもしばしばです。

 

場合によってはどれが正しい漢字かで迷うこともあるでしょう。

 

そのようなときには漢字のそれぞれの持っている意味をたどっていくといいでしょう。

 

そうすれば正しい漢字で会計処理ができるはずです。

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