当座貸越と当座借越は同じ意味?言葉の違いとは?

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当座貸越と当座借越は、とてもよく似た言葉ですが、実はどちらも同じ制度のことを指します。

 

それは、会社が保有する当座預金の残高を超える金額の引き落としがあった場合に、一定限度までなら、預金がマイナスになってもその分を自動的に銀行が立て替えてくれる制度のことです。

 

同じ制度になぜ2つの言葉があるのでしょうか。

 

またその違いは何なのでしょうか。

立場によって言い方に違いがある当座貸越と当座借越

当座貸越とは、銀行の立場に立った時の言い方です。

 

銀行と取り引きをしている会社の当座預金に残高以上の引き落としがあっても、自動的に立て替えて支払います。

 

一日の取り引き量が多い会社の場合、預金残高がマイナスに転じることは珍しいことではありません。

 

そこで、銀行が立て替えることによって業務を滞りなく進めることをサポートします。

 

銀行からしてみれば、預金残高にない分はお金を貸していることになるので、当座貸越と言うのです。

 

一方で、当座借越とは、会社の立場に立った時の言い方です。

 

預金残高になかった分を銀行からお金を借りているので、当座借越と言います。

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当座貸越と当座借越が入り混じって使われている理由とは?

銀行員と接していると、銀行員は当然のことながら当座貸越という言葉を使います。

 

そのため、会社の経理担当なども借りる立場であるにもかかわらず同じように当座貸越と言ってしまうケースが多いです。

 

ですが、一般的には本来の立場に基づいて、当座借越と言うのが正しいです。

 

簿記などの教科書では、この制度のことを当座借越と記載しているものがほとんどです。

 

貸借対照表の表示科目でも、当座借越のことは短期借入金として記載します。

 

このように借りているお金なので、当座借越や短期借入金と言うのが正当です。

 

当座借越は、当座預金の開設時に審査を経て、銀行と当座貸越契約書を締結することによって受けられる制度です。

 

銀行としては、会社にお金を貸したまま倒産されては回収できなくなる恐れがあるので、審査では会社の財務状況を徹底的に見ます。

 

当然のことながら財務状況が優れた会社の方が、審査には通りやすくなります。

 

当座貸越契約書では、当座借越を利用した場合の限度額や、金利、返済期限、返済方法などを確認します。

 

この書類は銀行が作成するので、当座貸越の言葉が含まれています。

 

このように当座貸越と当座借越を入り混じって使っても仕方のないことですし、意味は通じるので、どちらを使っても構いません。

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