当座資産が回収できなくなったらどうなる?貸倒引当金の計算方法とは?

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「貸倒」とは、取引先が急に倒産したことによって、売掛金、貸付金、未収金、受取手形といった当座資産として見込まれていた債権が回収できなくなることをいいます。

 

そうやって生まれる損失のことを「貸倒損失」といいます。

 

貸倒が起きると、会社の経営に大きな影響を与えます。

 

なぜなら、当座資産として見込んでいた債権の価値が失われることになるからです。

 

当座資産を当てにした経営をしていた場合、急激に資金繰りが悪化して、最悪の結果としては、自分の会社まで倒産してしまう恐れがあります。

 

そこで、「貸倒引当金」というものがあります。

 

これは取引先がもし貸倒になったら、どのくらいの損失額が見込まれるか予想し、その損失額を計上した引当金のことです。

 

貸倒引当金は、どのように計算するのでしょうか。

貸倒引当金の計算方法とは?

取引先がすでに倒産してしまったなど、会社の当座資産であったはずの債券の全額が入金されないことが明確である場合の貸倒引当金の計算方法は、全額を貸倒引当金に含めることができます。

 

また、取引先がまだ倒産していなくても貸倒の可能性が高ければ、当座資産が回収できなくなる恐れがあります。

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その場合、取引先の経営状態や資金繰りの状態から将来の貸倒損失額を算出し、貸倒引当金を求めることができます。

 

しかし、全く倒産が危ぶまれていない健全な取引先の場合に使用できる計算方法もあります。

 

それは、取引先の債券全額に対して貸倒実績率をかける方法で、この計算によって出された額を、計上することが可能となります。

 

貸倒実績率とは、過去に貸し倒れた実績の割合のことで、将来貸倒が起きた時に予想される損失額を合理的に算出することができます。

貸倒引当金の貸借対照表の表記について

通常の引当金ならば、貸借対照表の負債の部に繰り入れられます。

 

しかし、貸倒引当金は資産の部に繰り入れられます。

 

だからと言って貸倒引当金が資金になるという訳ではなく、マイナス表示にすることで負債の性質を保ったままにしています。

 

同じ引当金でも、将来従業員に賞与を支給するために計上する賞与引当金は、将来お金が出ていくことを表しています。

 

一方で、貸倒引当金は取引先から入金されて会社の資金になっているはずなのに、入金されていないことを表しています。

 

そのため、貸倒引当金は資産の部にマイナス表示されているのです。

 

貸倒引手金を繰り入れているから、会社の経営は安心だということではありません。

 

日頃から取引先の経営状態を把握し、債権の管理を徹底することが大切です。

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