混同されやすい用語「関連会社」「関係会社」と「協力会社」の違いとは
よく、「A社はB社の関係会社だから」とか、「C社とD社は関連会社なんだ」というような表現を聞くと思いますが、一見同じように聞こえるこうした会社の関係に、明確な違いはあるのでしょうか。
特に混同しやすい「関係会社」「関連会社」「協力会社」の三つについて理解を深めることは、ビジネスや経理において用語を正しく使い分ける助けになります。
関係会社
まず関係会社から説明したいと思います。
関係会社は、親会社、子会社、そして関連会社を全部まとめた総称です。
関係会社とグループ会社という用語も非常に似ていますが、意味は違います。
グループ会社はビジネス上、よく使用される言い回しではありますが、関係会社の間に見られるような資本関係のはっきりとした定義はありません。
上場企業で見る限り、関係会社は連結決算を行っている間柄であることを公表する必要がある会社同士ということになります。
関係会社の決算は原則として親会社と連結していますが、連結財務諸表に含めるかどうかは、子会社か関連会社かによって違います。
子会社であるなら「連結法」が適用されるのに対し、関連会社は「持分法」で処理されます。
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次に関連会社ですが、ある会社の議決権の20%以上を保有しているか、出資・人事関係、財務上、技術、また取引関係などを通じて、会社の経営方針などの意思決定に大きな影響を与えることができる会社と定義することができます。
会計の基準上は、議決権の20%未満という場合でも、例えば15%以上の議決権を保有しており、上記のような特別な関係により重要で実質的な影響力を有すると判断されるような場合も、関連会社とみなされます。
協力会社
では、協力会社についてはどうでしょうか。
子会社でも関連会社でもなく「協力会社」と呼ばれていることから、何となく関係性が違うことは想像できても、はっきりとした線引きが難しいと思われるかもしれません。
協力会社の英訳を見ると「ビジネスパートナー」となっていて、業務の一部を外部の企業に委託する際などに助け合うパートナーとしての立ち位置であることがわかります。
例えば、自社では対応しきれないような専門分野での業務を委託されることがありますが、そのような場合には協力会社に連絡して、人材不足や技術不足を補う目的があるのです。
そのようなわけで、協力会社とは、子会社や関連会社等の関係会社とは意味が全く違う用語になります。
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