理系学生の就職では学部卒と院卒にどんな違いがあるのか

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文系の学生と比べると、理系の学生で大学院に進学する率は非常に高いです。

 

大学院に進学する理由は人それぞれですが、なかには院卒の方が就職に有利だとの判断から進学する学生もいます。

 

それは本当なのでしょうか。

 

理系学生の就職で、学部卒と院卒にどのような違いがあるのでしょうか。

理系学部卒と院卒の就職での違い

まずは学部卒で就職する場合のメリットを考えてみましょう。

 

学部卒で就職するメリットは、院卒の学生と比べて2〜5年早く社会に出ることです。

 

年を取ってからの数年の違いに大きな差は感じなくても、20代前半でのこの違いはかなり大きいのではないでしょうか。

 

少しでも早く社会に出て経験を重ねておいた方が、その後の昇進、もしくは転職や独立起業などにも有利になることは確かです。

 

経験量が多い方がその分選択肢も多くなるので、早く社会に出るメリットは大きいです。

 

また、大学院に進学すると当然ながら引き続き学費がかかるわけですが、学部卒で就職してしまえば院の学費分まるまる節約できるとも考えられます。

 

学費がかからないだけでなく、逆に、働いて収入を得ることができるわけですから、学部卒と院卒では若いうちは経済力に差が付きそうです。

 

次に、理系学生が大学院修士過程、もしくは博士課程まで進み、院卒で就職する場合のメリットを考えてみます。

 

まず考えられるのが、学部卒よりも大手企業・有名企業に就職できる可能性が高いことです。

 

やはりどの企業でも優秀な学生を欲しがっていますから、大学院に進学して専門的な知識を身につけた理系の院卒学生の方が、即戦力として通用すると捉えられやすいのではないでしょうか。

 

また、企業への推薦枠も、学部卒より優先的に院卒学生に割り振られることはよくあるでため、学部卒よりも内定を得られやすいです。

 

これは一般論ではありますが、院卒の方が学部卒よりも初任給が高いという違いもあります。

 

理系の場合、月収で1〜3万円程度の違いですが、年収にすると数十万円の違いになるため、社会人1年目同士で比較すれば院卒の方が有利になりそうです。

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理系院卒の方が学部卒よりも本当に有利な違いがあるのか

これまでのことだけを比べれば院卒の方が有利に感じられます。

 

実際、院卒の方が採用されやすい分野はあると言えるでしょう。

 

たとえば、研究職がその良い例です。

 

大手メーカーを始め、国や公共団体の研究職の採用者の学歴を見ると、大部分の人が院卒です。

 

大学院時代の研究実績が採用の可否に大きな影響を与える分野だからでしょう。

 

なかには修士以上を必須とする求人募集もあります。

 

また、院卒の方が有利であるもう一つの理由が、生涯賃金の違いです。

 

先ほど学部卒のメリットとして、大学院の学費がかからず、早く社会に出た分だけ経済力に差がつくといいましたが、これが当てはまるのは20代などの若いうちだけです。

 

理系の院卒の場合、初任給が学部卒より1〜3万円高く設定されているので、定年まで同じ年月働いた場合を比べると、院卒の方が生涯賃金は数十万円から数百万円高くなることが予想されます。

 

とはいえ、以上に述べたことはあくまで一般論に過ぎません。

 

企業によって違いの大きいことなので、理系でも院卒より学部卒を採用したいと考える企業もいます。

 

実際、一部の企業には、確かに応募者の全体数が多いために必然的に院卒の新入社員が多いものの、本当は特定分野に絞られすぎていない柔軟な学部卒を希望するというところもあるぐらいです。

 

また、ベンチャー企業や外資系企業など、日本の大学での学部卒か院卒かの違いを重視していない企業もあります。

 

このことから、就職に有利になるという理由だけで、大学院に進学する必要はないと言えるでしょう。

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