漢文と白文に句点は含まれるか、違いや特徴について解説
高校生や大学生のころ、古典の授業で漢文を勉強したことを皆さんは覚えていますか。
この記事では、漢文とは何か、と白文や訓読文と書き下し文の違い、白文に句読点は含まれるかなどについて特徴をふまえてご紹介解説します。
漢文とは
漢文とは、古代の中国全土で使用されていた書き言葉です。
広い国土を持つ中国は地域によって人々の話す言葉が異なるため、共通の言語が必要でした。
様々な民族が存在し、言語だけでなく文化や生活習慣が入り混じった大陸を統治するためには必要不可欠なものでした。
例えば中国の思想家である孔子が述べた内容をまとめた「論語」は、ステータスの高い人々が生活するうえで必要不可欠な内容をまとめた教材として使用されました。
4世紀頃に中国から伝わったとされ、当時の日本の知識人は何とか読みこなそうと努力しました。
漢文の特徴
書き言葉として文語体で表される漢文ですが、実はリズムやテンポを重視しているという特徴があります。
地域によって大きな違いがある話し言葉を避けつつ、簡素で分かりやすい文法を採用し、中国に住む国民全員が理解できるように工夫しています。
文法的な特徴としては、時制がないことが挙げられます。
過去や現在、未来などの時制については、読み手に判断が委ねられています。
スポンサーリンク日本では中国から伝わって以来、和歌や短歌に使用されるようになりました。
当時の知識人の間では漢文を学習することはステータスの高い活動でした。
中国においても事情は同じで、誰しもが簡単に読みこなせていたわけではなく、読みやすくするための様々な工夫がされました。
白文に句点は含まれるか
白文とは、句読点や返り点、送り仮名が表記されていない漢字のみの文章のことです。
注釈などの記載がなく、もちろん句点も含まれていません。
ですから、白文であるかどうかは、文章中に句点が含まれるかを確認するだけで判別できます。
なお、白文に句読点を付けたものを「句点文」、句点文に返り点や送り仮名を付けたものを「訓読文」、さらに訓読文を日本語へと変換して日本人にも読みやすくしたものを「書き下し文」と呼びます。
ただし、一部のテキストや参考書では句読点を付けた状態の文章のことを白文と表記しているケースもあり、句点が含まれるかだけでは判断ができないので注意してください。
受験勉強で「白文に返り点と送り仮名を付けて書き下し文にする」というような問題を解きながら、いったい何の役に立つのだろうと疑問を感じていた方も多いのではないでしょうか。
なぜ学ぶのか
中国全土の人々にメッセージを届けることを目的として作成された漢文には、当時の人々の暮らしや、暮らしの中で感じた気持ち、さらには文化や慣習などが凝縮されています。
高校生の頃、必修科目とて学習している時には、句読点や返り点などの読み方にばかり注目してしまいがちですが、本来の学習の目的は、やはり中国の文化や慣習に触れる貴重な機会であることでしょう。
日本語の起源ともなっている中国の古典を知ること、漢文に書かれた思想や感情を読みとることで、ものの見方や捉え方を学び、思考が豊かになります。
今回は白文に句点は含まれるかという疑問に答えるために、漢文と白文について解説しました。
日本語の起源である言語を知ることは思考を広げることに繋がります。
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