「中堅」とはどんな意味?学年を表す言葉ではないので要注意

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職場や学校など、「中堅」という言葉を聞く機会は多くあります。

 

特に、新人としてどこか組織に所属した際、「中堅の先輩にお世話になった」という経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

 

組織において頻繁に耳にする言葉ですが、正確にはどのような意味があるのでしょう。

中間位を示す意味を持つ言葉

一つ目の意味は、組織や集合に対し、規模や質がちょうど中間位を示すという意味です。

 

高校や大学など、偏差値で各校の偏差値を出した時に出てくる「中堅校」という言葉がこの意味に当たります。

 

偏差値がかなり上位の進学校というわけではないけれど、低いとも言い切れない位置に属した学校で、具体的に言うと、偏差値50〜60程度の学校が該当することが多いです。

 

その他に、「中堅社員」などもこの意味で使用されることが多い単語です。

 

ただし、「どこからどこまでの範囲に対しての中堅なのか」には少し注意が必要です。

 

社長から平社員までの役職間で、社長や専務、常務といった役職ではないけれど、平社員ではない課長や部長クラスの社員を、まさに会社全体から見ての中堅社員と呼ぶこともありますし、平社員の中で昇進筆頭というほどではないけれど、新人からは脱しているような状態の社員を指して呼ぶこともあります。

 

組織や集合での人を指して呼ぶ場合、どこからどこまでの範囲に対して中間位程度なのかをまず明確にさせるようにしましょう。

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中堅は団体戦で使用される言葉でもある

学生の部活では、相手と競って勝敗を決める競技の場合、多くの競技で「団体戦」というものを取り入れています。

 

1対1や2対2で勝敗を決めるのではなく、複数回試合を行い、勝利した回数でどちらの団体の勝利かを決めるという方法です。

 

多くの競技が5戦行える方法を採用しており、その中でも剣道や柔道、空手、薙刀など日本で発展した競技は、3戦目に闘う選手のことを正式に「中堅」と呼びます。

 

1戦目に出る選手を先鋒、2戦目に出る選手を次鋒、3戦目の選手を中堅、4戦目の選手を副将、そして最後に戦う選手を大将と呼び、試合が始まる前に、大会側にどの選手がどこを担当するのかを提出する決まりがあります。

 

誰がどこを担当するのかというのは団体戦を勝ち抜く大きな戦略となるため、強豪校であればあるほど、「部活の部長を大将、先鋒は競技を始めたばかりの新人、中堅は真ん中くらいの学年の子」という単純な決め方はあまり行いません。

 

相手の大将が一番強い選手である可能性を読み、あえて大将戦を捨て、一番強い選手が中堅を担当するということも珍しくないのです。

 

そういった意味で、「二年生になれば自然と中堅になれる」と思っていたり、「中堅ということはその組織の中ではあまり強くないのだろう」と判断するのは誤りです。

 

競技においてはあくまでポジション名として使用されますから、「中間位を示す単語」として認識するのはやめておきましょう。

学年を示す言葉ではない

学生間で行われる団体戦では「中堅」を二年生が請け負うことが多い点などから、真ん中の学年を指す言葉だと思ってしまうのがよくある勘違いの一つです。

 

確かに上級生と下級生という言葉があり、その真ん中、中学生や高校生で言えば二年生を指す言葉は他にないため、そこにこの言葉を使いたくなる気持ちも分かります。

 

しかし、「中堅」という言葉の中に学年を示す意味はありませんので、気を付けましょう。

 

中堅という言葉を人に対して使用する際は、基本的にその人の実力を示しており、概して「低レベルではない」という要素も含みます。

 

単純に年数を重ねただけで実力が伴っていない場合、「中堅」という言葉は使用されないケースが非常に多いため、単に学年が上がった人を指して呼ぶことはないのです。

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