修士課程における単位取得退学の誤解について

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大学4年間の学士を終えた後、修士課程は2年間、そして博士課程はその後さらに3年間在籍し、それぞれしっかり必要な単位を取得して論文を提出して認められなければ学位になりません。

 

しかし何かしらの理由で論文を期限内に提出できなかった場合、就職などとの兼ね合いから単位取得退学という扱いになる場合があります。

 

ただ博士課程では単位取得退学が認められる事情がありますが、修士課程では論文が不合格になった場合、単位取得退学と履歴に書けずに単なる途中退学扱いになってしまうので、そこには大きな誤解がありそうです。

修士課程を修了する要件

修士課程を修了するための要件を文部科学省が設定しているので、始めに前提として確認しておきます。

 

2年間の大学院在籍と、30単位以上の単位取得、担当教授の指導の下で大学院の課す修士論文もしくは相当する課題について審査を受け合格する事とされています。

 

ただし、優秀と認められた学生は一年以上の修士課程在籍であれば足りるとされています。

単位取得退学とは?

そして、万が一修士課程や博士課程を終了するための論文が不合格になった場合に、修了に必要な30単位は取得したものの論文が認められていないまま学校を去るという状態を表す単位取得退学という言葉があります。

 

しかし、この定義はその呼称とともにあいまいであり、しっかりと説明できる人も存在していない適切ではない表現のようです。

 

もともと単位取得退学は、履歴書に学歴を記載する際に、博士の学位はまだ取れていないけど大学卒業後さらに5年間も大学院で勉強していましたという証明として記載する目的で使用されています。

 

大学も便宜上、在学期間延長の期限を過ぎても延長されなかった状態を指して単位取得退学と位置付けているようです。

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修士課程でも単位取得退学と履歴書に書けるか?

万が一修士課程修了のための論文を提出期限内に出せなければ、もしくは提出したとしても不合格になってしまったら、やはり修了要件を満たしていないので修士を得る事はできません。

 

しかも在学期間延長の申請を行わずに期限が来てしまったら、修士課程の場合は単位取得退学という学歴も使えず、単なる途中退学になってしまいます。

 

日本では3月に大学・大学院を卒業して4月から企業に入社するパターンがほとんどですが、内定が決まっているのに修士課程を終えられなければ就職できたとしても、学位は得られずに2年間をただ無駄にした結果になります。

 

そこで、在学期間を半年ほど延長して論文の再提出と再審査を許可してくれる大学もあります。

 

さらに内定している会社も働きながらの大学院通学を認めてくれれば、単位取得退学などという誤解のままにせず、10月までに論文を完成させて晴れて就職したまま修士を得る事ができます。

論文合格を回避するのは教授とのコミュニケーション

しかし不合格だった場合のリカバリーに精を出すのではなく、とにかくまずは合格できるように対策する方が賢明です。

 

合格できなくても単位取得退学と履歴書に書けるかどうかをいくら悩もうと、2年間という時間と費用を無駄にするのはもったいないの一言です。

 

博士課程と比較すれば修士課程の方が確実に合格しやすいはずなのに不合格になってしまうのは、とにかく担当教授とのコミュニケーションの欠如に尽きます。

 

なぜなら教授は学生を途中で退学させてしまったら自分の責任問題になるので是が非でも修了してほしいというのが本音だからです。

 

修士論文のレベルであれば数週間で完成させられるとアドバイスする教授もいます。

 

必須事項は常に自分が今何%の進捗にあるかを期限とともに定期的に教授に報告し、論文の要点とやるべきタスクの方向性が合っているかを高めの頻度でチェックしてもらう事です。

 

もう一度念を押しておきますが、修士課程で修士がとれなくても単位取得退学と履歴書に書けるから大丈夫というのは誤解なのです。

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