修士課程修了時の年齢の高さは就活に影響するの?

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文部科学省の調査では、4年制大学を終えた全学士のうちの約10%が修士への進学をするそうです。

 

その10%の学生たちが修士課程を終えた2年後の就職活動に不安を感じている声を多く聞きます。

 

日本独特の採用活動の下で2歳という年齢差がどの程度就活に影響するのか、年齢を不安に思う必要がないケースと、不安に思っても仕方のないケースそれぞれを明確にする事で、その不安を少しでも解消する事に貢献します。

修士課程修了者の就活における前提事項

年齢が就活に影響する場合とそうでない場合の双方に共通する前提を明確にしておきましょう。

 

まず文部科学省の調査から修士課程に入学する学生の年齢は22〜24才で全体の約80%を占めます。

 

それ以外は既に社会人として修士課程にいる層なので就活とは関係がないものとします。

 

22才が最も多く約45%、次は一浪して大学に入った23才が27%、一浪一留年か二浪したであろう24才が約8%という割合です。

 

さらに日本独特の新卒制度という風潮は根強く、企業はできるだけ新卒を採用する傾向を強く持っています。

 

修士課程といえども、就職浪人せずに新卒枠での就活が望ましいという事実も抑えておくべきです。

年齢を不安に思う必要がないケース

まずは修士課程修了時の年齢が就活に影響しないケースを考察します。

 

まず前提として、なぜ修士課程に進んだのかという動機が鮮明かつ2年間でどのような専攻に主体的に取り組んできたかを明確に語れる事です。

 

学士卒よりも2年多く勉強してきた成果をきちんとアピールできる実績と経験を認めてもらえない限り、就職も有利には運ばないでしょう。

 

特に就職と専攻のリンクは高いので、就活には大学の名前よりも専攻の選択が大切と言われる位です。

 

ただ大学卒業時に就活に失敗したからなどの逃げの理由は人事に見抜かれます。

 

この前提をクリアしている限り、大手企業であってもメーカーの研究職を中心に、年齢だけが理由で就活が不利になる事はないと言えます。

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研究職の募集に学士が応募するのは難易度が高く、ほぼ修士課程卒以上である傾向からも、学士達との椅子の取り合いはありません。

 

また大企業ではなくても、高い技術力を誇る中堅企業では専門性の高い優秀な学生を積極的に採用します。

 

また文系であっても教員などの公務員であれば年齢は問題になりません。

 

修士課程の2年間は専修免許という形で評価され、採用される時点で学士よりも高い「号給」での初任給がもらえます。

 

さらには、外資系であればそもそも新卒制度の縛り自体がありませんから問題はありません。

年齢を考えざるを得ないケース

銀行や官僚を筆頭に、はじめから新卒しか取らない、かつ年齢制限もはっきりと設けている企業も存在します。

 

応募総数の多い大企業など人数を絞り込むために予備選抜される場合や、採用枠が限定されている条件下で同じ様なスキルや能力を持つ候補者が年下であれば、不採用になる可能性もあるでしょう。

 

しかしそういう企業は、つまりは2年程度多く勉強した修士の専門性にあまり価値を見いだしていないとも言えます。

 

また一般的に公務員以外では文系の修士課程修了者の就活は研究職のような優遇措置が取られない分より狭い門になるでしょう。

 

そして年齢の高さが選考のハードルを上げる面もあるでしょう。

 

それはコミュニケーション能力です。

 

大学生ノリではない年齢に応じた落ち着きや思慮深さ、コミュニケーション能力の高さが問われるからです。

 

専門性を売りにするのはもちろんですが、大人のコミュニケーションが取れないと、ただ年齢が高いだけの頭でっかちなルーキーになってしまいます。

 

このように修士課程修了時のプラス2年という期間をどう考えるかは、それぞれの場合に分けて冷静に受け止める必要があります。

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