修士課程修了後の就職浪人は是か非か?

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日本では大学4年間を卒業した学士の約10%が修士課程に進むそうです。

 

中には大学4年間の間に内定をもらう事ができずに、結果として大学院進学を決めるという消極的な理由もあるかもしれません。

 

大学院に進む事と就職が有利になるかどうかについては、もちろんメリットもあればデメリットもありますが、最も避けた方がいいと思われるのは修士課程を修了してからの就職浪人でしょう。それは日本独特の就職活動に理由があります。

就職浪人の定義

まずは就職浪人の定義を明確にしておきましょう。

 

ここで言う就職浪人とは修士課程を卒業してから就職活動を始める事を指します。

 

修士課程の2年間はとにかく単位取得と研究および論文作成に専念し、3月に卒業してから就職活動の準備を始めて、企業との接触が可能になる夏前位から実際に活動を本格化させ、年末年始にかけて内定を得ていくという流れになるでしょう。

日本の就職活動に関する前提

大学生も大学院生も同じですが、日本にはいまだに根強い新卒至上主義が存在し続けています。

 

もうこの前提だけで就職浪人が不利になる理由の大部分を占めてしまいます。

 

とにかく既卒というステイタスだけで書類審査が通らないという変える事が困難な現実があるためです。

修士課程を修了してから就職活動をするデメリット

仮に新卒主義の不利を突破できる運や実力があったとしても、他にも就職浪人が直面するデメリットはさまざまに考えられます。

 

まずは修士課程在籍中は当たり前だった自分の属するコミュニティがなくなってしまう事です。

 

この現実により、修士課程にいれば受けられた教授や大学院からの情報とコネクションの恩恵を失ってしまいます。

 

もしかしたら教授からの推薦も受けられたかもしれないチャンスも、卒業後の就職浪人という立場では期待できません。

 

そしてこれまで属していた研究室から遠ざかってしまった寄る辺のなさに加え、腹を割って相談できる恩師や友人の少なさが精神的に不安にさせるでしょう。

 

そういうネガティブなメンタルの下では、自分と他者を比較して自分の境遇を嘆きがちになる事も否めません。

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保険は必要

ですので就職浪人を回避するにはどうすればいいかに目を向ける方が建設的です。

 

考えられる中でベストな方法は、修士課程在籍中に内定を得た上で引き続き研究に打ち込み、もしそのまま研究継続に気持ちが傾けば内定を辞退して博士課程に進むというプランでしょう。

 

企業への内定辞退は、きちんと期限内に行い説明と謝罪にも誠意を尽くせば法的にも人道的にも問題なく、就職浪人になる事を回避するベストなやり方でしょう。

 

修士課程中であれば、先に挙げた就職浪人のデメリットも一切なく、大学院の推薦枠なども活用出来る上、教授や友人に情報面でも精神面でも支えられた状態で就活に取り組む事が可能です。

 

一点問題があるとすれば、修士課程の勉強と両立させるのが難しいという事です。

修士課程は2年間、上手な就活のスケジューリングとは?

勉強との両立は間違いなく大変です。

 

単位を取るため、修士1年目は授業とレポート作成に追われる日々になるはずで、並行して就職活動を始められるまでにかなりの時間を要するでしょう。

 

そこで最も大切な事は、修士課程の2年間をどれだけ上手にタイムマネージメントするかという事に尽きます。

 

スケジュールを組む上で、修士1年目は全く就活を行う余裕がないという前提で、2年目の春から秋にかけて単位取得と研究やレポートと並行してでも就活ができる時間を確保するプランを立てる事です。

 

そして内定を得た秋以降の数カ月で論文を完成させると覚悟する事も必要になります。

 

時間的にも体力的にも尋常ではない努力を有すると思われますが、就職浪人するデメリットを思えば頑張れるはずです。

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