「ピンキリの値段」ってどんな意味?

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品定めをしているときに「値段はピンキリだから」といわれることがあります。

 

値段の比較をする場合や、程度を表す言葉であることは想像がつくのですが、その詳しい意味に関して説明できないことも。

 

この記事では「ピンキリの値段」に関してその意味と用法などをまとめています。

「ピンキリ」という言葉の意味

「ピンキリの値段」などと言われる言葉ですが、正確には「ピンからキリまで」という用い方をします。

 

厳密にいうと「○○の値段は、ピンからキリまで勢ぞろいだ」というような用法がなされます。

 

どちらかというと、日本語でも俗語の部類といえるでしょう。

 

ピンキリには、「最低のものから、最高のものまで幅広い振れ幅がある」といった意味合いがあります。

 

例えば、「車のグレードもピンキリだ」「販売されているパソコンの値段もピンキリだ」といわれるように値段や、品質に関して振れ幅が大きい場合に用いられます。

 

ただし、会話の相手や話題によっては「ピンキリ」という言葉は失礼にあたることも考えられるので、使い方に注意をしなければいけません。

「ピンキリ」の語源はポルトガル語

「ピンからキリまで」という言葉は日本語ですが、その語源はポルトガルの言葉から来ているといわれています。

 

所説ありますが、ポルトガル語の「pinta(点を意味する言葉)」と「cruz(十字架を表す言葉)」がカギだと考えられています。

 

ポルトガル語でのpintaは「点やほくろ」を意味します。サイコロの1の目も「点(●)」ですので「最初の、1つの」と解釈できます。

 

一方、cruzは十字架という漢字にもある通り、数字の10を表す言葉に変化しています。

 

「1から10まで」と置き換えると、「ピンからキリまで」という言葉の意味につながるのではないでしょうか。

 

後述しますが、「1から10まで」という理由は厳密には正しい意味ではありません。

 

ちなみにピンという言葉は、「ピン芸人(一人芸をする芸人)」や麻雀で使用される「筒子(ぴんず)」に描かれた丸い図柄が書かれた数牌にもつながる言葉です。

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どちらが「ピン」で何が「キリ」なの?

「ピンからキリまで」の場合、ピンとキリのそれぞれに関して、最低と最高をどちらに当てはめるべきか迷います。

 

素直に考えると、「1から10まで」だからピンが最低で、キリが最高なのでは?と解釈されがちですが、これは間違った解釈です。

 

ピンは「頂点」という意味合いもあります。

 

また、キリは「キリがない」という言葉にもあるように最低ラインや終わりを示す言葉にもつながります。

 

このことからも「ピンは最高」で、「キリは最低」と位置付けられています。

 

値段にあてはめてみると、「1円は安く、10円は高い」と比較できます。

 

この言葉の意味を説明する場合は、こういった表現を用いるとよいでしょう。

「ピンはね」のピンも同じ?

ここで気になるのが、「ピン芸人」などで記したように、俗語には「ピン」を示す言葉が多いことが挙げられます。

 

最上の、一つの、最初のといった意味があるので、良い意味にとらえられることもありますが、実際には良い言葉として使われないこともあります。

 

「ピンはね」という言葉があります。

 

これは資金やもらい受けた代金の一部を、親株を持った存在がかすめ取ることを指しています。

 

これはpintaと同じ語源で、「報酬の一部を跳ね上げる」という意味合いがあります。

 

「別嬪(べっぴん)さん」という言葉もあります。

 

これは掛け値なしに特別に美しい人や各段に良い品物を指す意味合いがあり、「別品」と表記されることもあります。

 

この「品」には、特上のという意味合いを持たせた「ピン」が掛け合わされていることが、意味からも伝わります。

 

この場合は、「ピンキリ」のピンと同じ使い方です。

 

値段や品質に関して言及する場合に使われる「ピンからキリまで」には、海外の言葉が関係していることがわかりました。

 

いわゆる値段や品質を比べるための俗語ですが、派生した言葉も多々あります。

 

正しい言葉の語源を知り、日常会話の中で使えるようにしたいものです。

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