「破格な値段」の「破格」の意味とは?使用される場面や類語について

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買い物に出かけた時、セールが行われていると、たまに「破格な値段」という表現が使われていることがあります。

 

セール商品に使用される言葉ですから、意味を推察すると「低い値段」というような意味になります。

 

しかし、具体的にどのような意味なのか、押さえられている人は実は多くはないのではないでしょうか。

「破格」は名詞・形容動詞

「破格」という単語は、「格を破る」と言う様子を一単語で表した単語です。

 

「格」とは、地位や身分を示すほかに、流儀や決まりを示す単語でもあります。

 

それを破るということですから、地位や身分、しきたりや流儀、決まりなどから外れた様子という意味となります。

 

「この値段は破格だ」という文章であれば、商品の値段が慣例から大きく異なった様子であることを言っているので、一単節とした名詞としての使用になります。

 

「破格な値段」という用法であれば、値段を形容する「破格な」が一単節として扱われますから、形容動詞という扱いになります。

 

どちらにせよ、何かに対し、通例とは大きく異なる様子を示す言葉として使われる言葉なのです。

「破格な値段」はポジティブな意味で使用されることが多い

「破格」という言葉を使用する場合、ネガティブな意味合いではなく、ポジティブな意味合いで使用されることが多くなります。

 

例えば、冒頭の「破格な値段」ですが、セール商品を対象にすることから「通例より低い値段」という意味合いになり、購入対象者の興味を前向きにそそる効果を持ちます。

 

同じく通例とは大きく異なる様子を示してはいても、通例より高く値段設定をした商品を「破格の値段」と銘打ち、売り出すことはありません。

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似たような用法で、「破格な出世」という言葉があります。

 

会社などの組織で管理職に就いたり、さらに上の立場に就くことを示すのが出世ですが、出世には慣例がつきものです。

 

例えば、係長から出世する際は課長にはなれても部長にはなれない、出世が決まるタイミングは半年に一度の決算期のみ、などです。

 

これらの慣例を破り、平社員からいきなり部長になるなどの異例な出世が行われた際に言われるのです。

 

こちらも先程の値段同様、異例な降格が行われた際に「破格な降格」とは言いません。

 

以上のことから、「破格」という単語は「格(決まりや慣例)を前向きな意味で破ること」を示していることが分かります。

 

値段、出世以外にも、「破格の待遇」「破格の条件」などの単語で使用されることが多くあります。

破格の類語

全く同じ意味ではありませんが、似たようなシーンで使用される言葉が他にもいくつかあります。

 

まず、「格段」という言葉です。

 

この「格」も同じくしきたりや慣例を示しており、それが段違いで特別であるという意味になります。

 

同じ意味合いで「格」を用いた単語に、「格別」もあります。

 

また、「型破り」も類語です。

 

この「型」にも「決まったならわし、模範となるもの」といった意味がありますので、破格で使用される「格」の類語と判断できます。

 

どちらも「格/型を破る」という意味になりますから、類語として扱われます。

 

「型破りな値段」のように値段を表す言葉としてはあまり使用されませんが、「型破りな出世」「型破りな作品」といった使用方法は多く見られます。

 

人の行動の様子や人の行動の結果などを示す際に「型破り」、ものの様子や状態を示す際に「破格」といった使い分けをすると間違いがないでしょう。

 

型破りとニュアンスが近い言葉に、「天馬空を行く」という言葉もあります。

 

作品などに対して着想が自由な様を指しており、この言葉の結果、型破りな作品が生まれると考えたら、この言葉もセットで覚えていいかもしれません。

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